人生の「後半戦」楽しむために 大切な人に残すメッセージノート
毎日新聞 / 2024年11月5日 11時15分
人生の終わりに備える終活。突然「その時」を迎えたら、家族に自分の気持ちや重要な話を伝えることはできない。誰にも迷惑をかけたくないと思っても、葬式やライフライン、行政上の手続きなど頼らざるを得ないことも多い。そこで便利なのがエンディングノートだ。終活支援事業を展開する「イオンライフ」(千葉市美浜区)で相談会などのイベントを担当する山中喬介さん(43)にエンディングノートの目的や書き方について聞いた。【聞き手・高橋秀郎】
--エンディングノートとはどのようなものですか。
◆イオンライフは、エンディングノートは人生の終わりに向けて書くものではなく、大切な人に意思を伝えるためのものと考えて「メッセージノート」と呼んでいます。自分や大切な人のため、元気なうちに心配事などを少しずつ解消しながら記録します。終活は人生をじっくりと振り返り、これからを充実して過ごすための活動ですから、人生の後半戦を楽しむために書いてください。夫婦や家族で話し合う機会にもしてほしいですね。
--ノートの内容は?
◆自分史や人生の目標、介護や医療に関する希望、お葬式やお墓についての考え、形見や財産、知人の連絡先、そしてメッセージなど多岐にわたります。身近な人が亡くなった時に書き始める人が多いですが、全てを埋める必要はありません。どこから、何をどれだけ書くかは本人次第です。何度でも書き直せるよう、鉛筆での記入を勧めています。遺影用の写真もセロハンテープで貼り、気に入ったのが撮れたら貼り替えてください。家族旅行の集合写真でも問題ありません。顔が親指の爪ぐらいの大きさがあれば引き伸ばせます。
--5月に改訂しましたね。
◆時代の変化に合わせました。デジタル機器が普及しているのでSNS(ネット交流サービス)のアカウントやパスワードなどのページを新設し、ペットの項目も加えました。ペットも家族という考え方が浸透し、自身が逝った後の世話について記録できるようにしました。話題の「やりたいことリスト」も設けました。妻と夫という夫婦の形ばかりではないので「パートナー」という表現も取り入れました。
--イベントで多い相談内容は。
◆少子高齢化が進んでいますが、子や孫に面倒をかけられない、と考える人が増えています。1人暮らしも増えています。墓参りが遠方のために難しくなった、後を継ぐ子どもがいない、などの理由でお墓の引っ越しや墓じまいの相談が目立ちます。身元の保証や遺産相続も多いですね。身元保証は入院する時も老人ホームに入居する時も必要になります。子どもがいなくてどちらかに先立たれたら一人になる、と心配して訪れる夫婦もいます。いずれも提携先を紹介しています。
イオンライフ
2009年にイオンリテールの事業部から始まり、14年9月に分社化し設立。社長は中村敏之氏。葬式や墓・墓じまい、永代供養、ペット葬、身元保証など終活支援事業を手がける。首都圏などのイオン関連施設で終活に関する相談会を開催し、参加者に「メッセージノート」を配布。千葉市と袖ケ浦市、大網白里市の県内3自治体と終活提携協定を結んでいる。問い合わせはコールセンター(0120・394・394)。
やまなか・きょうすけ
東京都出身。2015年、イオングループの未来屋書店に入社。秋田県内の店長から24年3月、イオンライフに出向し現職。両親が高齢になって終活に関心が高まり、グループの公募に手を挙げた。
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