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「誰かの不要はだれかの宝」 廃材に新たな価値与え販売 北海道

毎日新聞 / 2024年11月8日 9時15分

牧場から出る不要な毛刈りの羊毛からつくられた「羊毛フェルト工房こころもこ」の作品=北海道石狩市で2024年10月26日、貝塚太一撮影

 本来は捨てられるはずの廃材に新たな価値を与えて再生するアップサイクル作品が並ぶイベントが北海道石狩市で開催された。イベント名は「こっぱちょす」。北海道弁で「こっぱ」は端材、「ちょす」はいじるという意味を組み合わせた。「誰かの不要はだれかの宝」をコンセプトに、スキルやアイデアを持つ道内約50のクリエーターや店が一堂に会した。

 イベントは10月26、27の両日、石狩市の旧聚富(しっぷ)小中学校跡地の「ひびきの丘」で開催された。廃校の体育館や教室、グランドにブースが並び、作品が販売された。興味深かったのは、出品者がどのように廃材を作品に作り替えたのかを惜しみなく客に語る中、これから創作活動をしたい人や、自分の趣味として生かしたい人との交流の場にもなっていたことだった。

 イベントは昨年に続き2回目となる。主宰したのは石狩在住の漆原恵さん(51)。漆原さんは札幌市南区で札幌軟石の端材から雑貨をつくる「軟石や」を2015年から営んできた。石材屋で事務員として働き、建造物用に加工される工程で出る札幌軟石の端材に目をつけた。「価値観を変えれば新たなものを生み出せるかも」と軟石で小さな家の雑貨を製作。アロマオイルを石に染み込ませて使う「かおるいえ」はヒット商品となった。

 店を営んでいると、廃材全般に意識が向くようになった。いたるところから捨てられる端材やモノ。「見渡したら、公に言っていないけれど“こっぱ”を使う作家が多くいる」ことにも気づき、イベントの開催を決めた。

 漆原さんは「マッチングアプリをつくって、廃材が出る側とクリエーターをつなぎたい。“こっぱちょす”をプロジェクト化して、捨てる側もつくる側もゴミ削減の取り組みとして共感が得られるものにしたい」と話している。【貝塚太一】

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