11月8日「いい歯の日」 「かむ」大切さ見直しでガム市場回復兆し
毎日新聞 / 2024年11月8日 7時0分
11月8日は語呂合わせで「い(良)い歯の日」。健康な歯に欠かせない咀嚼(そしゃく)力の低下が指摘されて久しい。よくかむことで消化を助け、唾液の分泌が促される。虫歯や口臭の予防になるほか、最近の研究では体全体の健康維持や美容など、かむ力のさまざまな効果が分かっている。「かむ」ことの大切さが、見直されつつある。
公益社団法人の日本歯科医師会(東京都千代田区)に「いい歯」の条件を聞いたところ、虫歯や歯周病などがなく歯の本数がそろっていること、さらに「上下の歯でしっかりかめるなどの口腔(こうくう)状態が保たれていることも大切」という。
現代人の咀嚼力は低下している。日本人のかむ回数を比較研究した「料理別咀嚼回数ガイド」によると、1回の食事の平均回数は、弥生時代3990回、江戸時代(前期)1465回、戦前(1930年代)は1420回だった。これに対し、現代は620回に急減。食べ物が軟らかくなり、少ない回数で飲み込めるようになったことが主な要因だ。
90年代にこのガイドをまとめた和洋女子大の柳沢幸江教授は、2022年にロッテなどと共同で「咀嚼回数ランク表」を新たに作成。それによると、10グラム当たりの飲み込むまでの咀嚼回数が多い食品は、「さきいか」(158回)や「馬肉ステーキ」(114回)などがある。最多は「チューインガム」(5分かんだ場合)の430回。柳沢教授はチューインガムを「食事以外の咀嚼手段として取り入れていくのも有効」と話す。
チューインガムは長らく生産量が減少傾向にあった。日本チューインガム協会の統計では、市場全体の生産数量は04年から約20年で4割程度に減り、特に新型コロナウイルス禍による落ち込みが目立った。ロッテホールディングス(HD)の広報担当は「対面機会が減り、衛生対策としてガムをかんでいた人の需要が減ったのでは」と分析する。
かむことの効用は多い。歯茎や顎(あご)の骨を丈夫にする▽血流がよくなり、脳が活性化される▽セロトニンの分泌を高め、ストレスを和らげる▽集中力やリズムを整え、スポーツ時のパフォーマンスが向上▽輪郭が引き締められ、見た目が変化する――などが挙げられる。
こうした効果が広く伝えられるようになり、以前は「暇つぶし」のアイテムだったガムが、「健康を気遣う人に支持されるようになってきた」(ロッテHD担当者)という。23年の生産量は、前年比6・3%増に持ち直している。日本チューインガム協会によると、24年も市場の回復傾向は続いており、ガム人気が復活しつつあるようだ。【嶋田夕子】
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
ロッテと鹿児島ユナイテッドFCが実証 約1年間のガムトレーニングにより、咬合バランス・静的バランス・垂直跳びのスコア向上
PR TIMES / 2024年11月14日 12時45分
-
ロッテと鹿児島ユナイテッドFCが実証 約1年間のガムトレーニングにより、咬合バランス・静的バランス・垂直跳びのスコア向上
PR TIMES / 2024年11月14日 12時15分
-
「嚙む力」で偏差値75 トップの都道府県は? ロッテ調査
毎日新聞 / 2024年11月8日 20時41分
-
キシリトール咀嚼チェックガム/アプリが「サステナブル★セレクション」三つ星を獲得!「噛むこと」で人生100年時代のウェルビーイングに貢献
PR TIMES / 2024年10月22日 12時15分
-
虫歯をすぐに「銀歯やセラミックで治療する」は絶対ダメ…初診時にわかる「本当にいい歯医者」の対応
プレジデントオンライン / 2024年10月16日 15時15分
ランキング
-
1麻生氏「しっかり総括を行わなくてはならない」衆院選めぐり
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年11月14日 15時19分
-
2石破首相、日米韓首脳会談で「協力体制発展させる」…トランプ氏とは「具体的なこと決まってない」
読売新聞 / 2024年11月14日 17時20分
-
3大阪でマンションに侵入しようと…男ら逮捕 指示役は「トクリュウ」リーダーか
MBSニュース / 2024年11月14日 14時25分
-
4部品製造会社前社長ら特別背任容疑で逮捕 取引先に不正送金する手口で総額約2億受け取りか
日テレNEWS NNN / 2024年11月14日 13時44分
-
5国民民主党、「年収の壁」103万円から「178万円」に見直し法案…臨時国会提出へ
読売新聞 / 2024年11月14日 16時45分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください