「凶器は捨てた」と供述 兵庫女児刺傷事件、証拠隠滅図ったか
毎日新聞 / 2024年11月8日 20時47分
兵庫県たつの市で18年前、小学4年の女児が刃物で刺されて重傷を負った事件で、勝田州彦(くにひこ)容疑者(45)=殺人未遂容疑で逮捕=が兵庫県警の任意聴取に「凶器は捨てた」と供述していたことが、捜査関係者への取材で明らかになった。事件の数時間前から標的とする女児を物色していたと説明したことも判明。県警は待ち伏せて襲った後、証拠隠滅を図ったとみて調べている。
勝田容疑者は2006年9月28日午後6時20分ごろ、たつの市の路上で9歳だった女児の胸などを複数回突き刺し、全治2カ月の重傷を負わせた疑いが持たれている。県警は8日、勝田容疑者を送検した。
捜査関係者によると、兵庫県警は今年5月以降、勝田容疑者に任意で聴取を進めてきた。容疑者は事件への関与を認めたうえで、数時間前から襲撃対象とする女児を探していたと供述した。現場は学習塾付近で子供が集まっていたとされる。
近くでは女児が刺される直前の午後6時15分ごろ、別の女児が何者かに声を掛けられ、後ろから抱きつかれる事件が発生していた。勝田容疑者が県警に対し、この事件についても自ら実行したと認めたことも明らかになった。
事件後の行動についても説明。女児を刺した刃物については「捨てた」と話していたことが分かった。凶器は見つかっていない。県警はこうした容疑者の供述について、現場の状況などと整合性が取れると判断しており、詳しい経緯を慎重に調べている。
県警によると、勝田容疑者は刃物で女児を刺したことは認めているが、「殺すつもりはなかった」と供述しているという。
勝田容疑者は岡山県津山市で04年、小学3年の女児(当時9歳)を刃物で襲って殺害したとして無期懲役が確定し、服役していた。刃物を使った点などでたつの市の事件と似た手口だったことから捜査線上に浮上した。【柴山雄太、木山友里亜】
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