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救急隊員、「死亡」と誤判断で搬送せず 警察官「指先動く」と気づく

毎日新聞 / 2024年11月11日 19時45分

誤判断について謝罪する知多中部広域消防本部の桝内文男・消防長(中央)ら=愛知県半田市で2024年11月11日午後4時23分、町田結子撮影

 知多中部広域消防本部(愛知県半田市)は11日、同県東浦町のマンション内で倒れていた70代男性について、救急隊員らが誤って「死亡」と判断し、救急搬送しなかったと発表した。現場を引き継いだ警察官が男性の指先などが動いているのを確認。男性は約2時間後に病院に搬送されたがその後死亡した。同消防本部は、救命措置の遅れと死亡の因果関係については「判断できない」としている。

 同消防本部によると、10日午前9時半ごろ、東浦町のマンションの管理人から「玄関が開かない」と通報があり、駆けつけた救急隊員が浴室で倒れている住人男性を発見。隊員2人は男性の意識や呼吸などを観察し、「明らかな死亡状態」と判断した。その際、心電図などの資機材は使用しなかったという。

 その後、現場を引き継いだ警察官が男性の指先や口元が動いているのを確認。男性は同11時半ごろに救急搬送されたが、その日の夕方に死亡した。

 桝内文男消防長は「迅速な救命処置を行うべき消防機関にあってはならない事態で深くおわびします」と陳謝。男性宅の新聞受けに4日分ほどの新聞がたまっていたことなどから「先入観が生まれ、五感に頼ってしまったのではないか。判断には資機材を使うべきだった」と述べた。

 同消防本部は再発防止策として、傷病者の観察には先入観を持たず、聴診器や血圧計などの資機材を活用することなどを職員に通知した。【町田結子】

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