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ダンプなど「特装車」整備でカルテル疑い 公取委が4社立ち入り検査

毎日新聞 / 2024年11月12日 11時0分

公正取引委員会の看板。公正取引委員会などが入る中央合同庁舎第6号館B・C棟で=東京都千代田区霞が関で2019年、本橋和夫撮影

 ダンプカーやゴミ収集車など特別な装備や改造を施した「特装車」の装備を巡りカルテルを結んだ疑いがあるとして、公正取引委員会は12日、装備メーカー4社の本社や営業所など関係先計8カ所を独占禁止法違反(不当な取引制限)容疑で立ち入り検査した。関係者への取材で判明した。

 特装車の装備は「架装物(かそうぶつ)」と呼ばれ、国内の市場規模は1000億円超。特にダンプカーとゴミ収集車、タンクローリー、トレーラーの4車種については4社の寡占状態とされ、公取委はその大部分で不正が行われていたとみて調べる。

 立ち入り先の4社は二つのグループで、一つが「新明和工業」(兵庫県宝塚市)と100%子会社の「東邦車輛」(横浜市)、もう一つが「極東開発工業」(大阪市)と100%子会社の「日本トレクス」(愛知県豊川市)。4社は遅くとも2020年9月以降、自動車メーカーや自治体などに架装物を販売する際、各社の営業担当者を中心に情報交換し、協調して価格を不正に引き上げた疑いが持たれている。

 架装物はダンプカーなら可動式の荷台部分、ゴミ収集車ならゴミをプレスして貯蔵する部分のことで、4社はこうした装備の製造のほか、シャシー(車台)に取り付けた特装車の販売も手掛けている。カルテルの背景には、鋼材など原材料価格の高騰に伴う利益の圧迫があるとみられている。

 立ち入り検査を受けて新明和工業は「厳粛に受け止め、調査に全面的に協力する」とのコメントを発表。極東開発工業は取材に「コメントできる状況になく、粛々と対応するとしか言えない」と話した。

 新明和工業は23年にも、機械式駐車場の設備納入で談合を繰り返した疑いで公取委の立ち入り検査を受けた。【渡辺暢】

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