凶悪化する「闇バイト」被害 我が家、どう守る? 元警察OBが指南

「闇バイト」による強盗被害を防ぐポイントを解説する福岡県警OBの渡辺達哉さん＝福岡県太宰府市青葉台で2024年11月2日午後1時52分、平川昌範撮影

　「闇バイト」による相次ぐ強盗被害からどう我が家を守るのかをテーマにした講演が2日、福岡県太宰府市の青葉台公民館であった。福岡県警OBでNPO法人安全・安心サポートセンター理事長の渡辺達哉さん（78）が防犯のポイントを解説し「地域の防犯力を上げよう」と呼びかけた。【平川昌範】

　子どもの見守りやパトロールに取り組む住民団体「安全安心の町青葉台の会」（永尾敬会長）が、闇バイトを巡る事件の多発を受けて緊急で企画。想定の倍以上の約120人の住民が集まった。

　県警で筑紫野署長や総務部長を歴任した渡辺さんは、闇バイトによる強盗について「下見をするのが常とう手段」と強調。深夜に戸建てのガラス窓を割って侵入し、住人を縛って暴行して金品を強奪する手口を説明し「大変乱暴で凶悪だ」と批判した。

　渡辺さんは「犯罪に関心を持つことで地域の異変に気づける」として、高齢者や一人暮らしへの目配り気配りが地域の防犯力を高めると訴えた。また、金に困った若者が闇バイトに手を染める実態に触れ「お孫さんにはお金に困ったらじいじばあばに相談してと言ってあげて」と話した。

　筑紫野署の担当者は、窓に防犯フィルムを貼る▽在宅時も鍵を掛ける▽訪問者に安易にドアを開けない▽「置き配」を利用する▽センサーライトや防犯カメラを付ける▽隣近所と普段からあいさつや会話する▽不審者がいたらためらわずに110番する――をアドバイス。「今こそ防犯のギアを上げましょう」と呼びかけた。