「日本の伝統食で勝負」とおむすび店 19歳女性がキッチンカー起業
毎日新聞 / 2024年11月16日 8時45分
高校を今春卒業したばかりの福岡県岡垣町の女性がおにぎりのキッチンカーで起業し、各地のイベント会場などを一人で駆け回っている。食材の仕入れからおにぎりの製造・販売、車の運転なども一人。夜の販売もあるが不安はないといい、「将来は海外にキッチンカーを出したい」と大きな夢を抱きながら日々奮闘する。【荒木俊雄】
女性は3月に県立北筑高(北九州市八幡西区)を卒業した黒木美穂さん(19)。
おにぎり(1個250円から)は全て注文を受けて車内で握り、米がつぶれないようフワフワ感を出すのが特徴。具は鳥そぼろや小松菜・おかか、なめたけなど毎日3種類の具を日替わりで提供し、みそ汁などが付いたセットもある。
米や具は主に隣町・宗像市産で、7月に北九州市若松区のガソリンスタンド敷地で初めて売って以後、「道の駅むなかた」(宗像市)や若松ボート(北九州市若松区)などで週末中心に販売。イベント時は1日3万、4万円を売り上げることもあるが、天候に大きく左右されるという。
黒木さんは小学高学年のころから漠然と何かをしたいと考え、2023年12月から地元の商工会などが主催する起業セミナーに一人で参加。「講師の話は4割程度しか分からず、周囲は親の世代ばかりで懇談の場にも参加しづらかった。でも、わくわくする感じは常にあった」と話す。
高校は進学する友人が多かったが、華やかなキャンパス生活への憧れなどはなく「海外でも通用する日本の伝統食で勝負したい」とおにぎりでの起業を決意。両親や兄姉も「自分でやれるならやりなさい」と背中を押し、リスクを最小限に抑えるため店舗型は避け、自分の借金でキッチンカーを購入。卒業時に運転免許、6月に飲食店営業許可を取った。
黒木さんが起業に役立てたのが宗像市の「伴走型創業支援プログラム」だ。起業する人や、新型コロナウイルス禍で事業継続に不安がある人向けに市がIT企業との連携で22年度に始め、専門家が関係書類の書き方から販路拡大、商談の仕方などを7カ月間にわたり無料で指導する。3年間で計13人が応募し、事業内容や面接などを通過した黒木さんら今年度の2人を含む計6人が制度を利用。中には3店舗に事業拡大した成功例もあるという。
宗像市産業政策課の担当者は黒木さんについて「最年少だけに面接の時は緊張した様子だったが今後、若い人たちがどんどん出てくるような模範になってほしい」と期待する。
中高生時代は人見知りだったという黒木さんは「やってみると楽しく、『おいしかった』と言われるのが一番うれしい。最近は出店の依頼を受けることも増え、手応えを感じる。将来は外国でキッチンカーを走らせたい」と目を輝かす。
「道の駅むなかた」では18、20、30日と12月1日の午前10時~午後4時(売り切れ次第終了)に宗像産の白ナスなどを具にしたおにぎりを販売する。
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