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旧優生保護法の強制不妊手術、全訴訟が終結 名古屋高裁で和解成立

毎日新聞 / 2024年11月15日 13時25分

和解が成立し、喜びを分かち合う原告の尾上敬子さん(右)と夫の一孝さん=名古屋市中区の名古屋高裁前で2024年11月15日午後1時半、塚本紘平撮影

 旧優生保護法(1948~96年)下で不妊手術を強制されたとして、夫婦で聴覚障害のある名古屋市の尾上敬子さん(74)と夫の一孝さん(77)が国に損害賠償を求めた訴訟は15日、名古屋高裁で和解が成立した。国は尾上さん夫婦に謝罪し、計1500万円の慰謝料を支払う。これにより、2018年以降、被害者ら39人が全国12の地裁・支部に提訴した一連の訴訟は全て終結した。

 旧法を違憲とし、国の賠償責任を認めた7月の最高裁判決を受け、原告側と政府は9月、不妊手術を受けた本人に国が慰謝料1500万円を支払うことなどを盛り込んだ和解の合意書に調印。その後、各地で和解が進み、名古屋高裁が最後となっていた。

 この日の和解は、尾上さん夫婦の要望により公開の法廷で行われた。朝日貴浩裁判長が合意書に基づく和解条項を読み上げ、原告側と国側の双方が合意し、和解が成立した。

 尾上さん夫婦は子どもを望んだが、敬子さんは1975年5月ごろ、不妊手術を強制された。22年9月、国に損害賠償計2970万円を求め提訴していた。【道下寛子】

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