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フラメンコ界の草分け・小島章司さんが新作舞台を上演 東京・銀座

毎日新聞 / 2024年11月19日 9時0分

新作「蒼茫」のリハーサルをする小島章司さん(手前)。スペインから来日したギタリストのチクエロさん(奥)らと共演する=東京都内で2024年11月16日、明珍美紀撮影

 日本のフラメンコ界の草分けの一人、小島章司さん(85)による新作舞台「蒼茫(そうぼう)」が20、21日、東京都中央区銀座2の「銀座ブロッサム中央会館」で上演される。「魂を宿した舞踊に身を注いで60年余。今度のステージはその集大成」と小島さんは語る。

 徳島県で生まれ、武蔵野音大で声楽を学んだ後、「身体表現を磨きたい」と舞踊の世界に入った。光と影が交錯するフラメンコに魅了されて26歳のとき、独裁政権下のスペインへ。10年の修業を経て帰国後は、フラメンコと日本の伝統舞踊を融合させる試みや、画家のパブロ・ピカソ、チェロ奏者のパブロ・カザルス、作家のパブロ・ネルーダという「3人のパブロ」を題材にした舞踊など、独自の舞台芸術を追求。2011年の東日本大震災後、被災地を応援する作品も創作した。

 今回、披露する舞台は、俳人の森澄雄さん(1919~2010年)の「句集 蒼茫」から着想を得た。「この句集は森さんが亡くなった後に刊行された。森さんとは面識はなかったが、蒼茫という言葉、あるいは森さんが詠んだ句は、私の中にたくさんの幻想や幻影を呼び覚ました」という。

 「蒼茫に通底するイメージは深い海。いまなお世界の各地で戦争や紛争が絶えないが、犠牲になった人々の魂を鎮魂し、平和や友好への願いを込めて踊りたい」と小島さんは話す。

 フラメンコは踊りと歌、ギターなどの伴奏が主体だ。今回は長年、親交を深めてきたスペインの著名なギタリスト、チクエロさんら演奏家や歌手らと共演する。

 詳細は小島章司公演事務局(03・3498・0923)。【明珍美紀】

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