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米、ランサムウエア「フォボス」運営トップを起訴 国内被害は70件

毎日新聞 / 2024年11月19日 19時12分

写真はイメージ=ゲッティ

 「Phobos(フォボス)」と呼ばれる身代金要求型のコンピューターウイルス(ランサムウエア)を販売し、攻撃に使う犯罪集団のトップとされるロシア国籍の男性(42)を米司法省が起訴した。国際共同捜査に参加していた警察庁が19日、公表した。

 フォボスは2022年10月に発生した大阪急性期・総合医療センター(大阪市)へのサイバー攻撃にも使われたとされる。警察庁によると、フォボスが使われた国内の被害は20年以降、少なくとも20都道府県の行政機関や民間企業など約70件に及んでいる。

 起訴されたのはエフゲーニー・プティーツィン被告。韓国で身柄を拘束され、米国に引き渡されていた。20年11月以降、フォボスを販売したり、攻撃に使ったりした疑いがある。

 米司法省によると、フォボスの購入者らは、世界で1000以上の機関をサイバー攻撃し、1600万ドル(約24億円)以上の身代金を奪ったとされる。

 国際共同捜査は、日本や米韓英仏など計10カ国の捜査機関が協力した。警察庁はサイバー特別捜査部がIPアドレスの分析などで米当局とは別に男性が関与した疑いを特定した。

 大阪急性期・総合医療センターへのサイバー攻撃は22年10月にあり、緊急時以外の手術や外来診療が一時止まった。ウイルスは病院の給食を委託している業者のサーバーから侵入したとみられ、病院の業務が完全に復旧したのは約2カ月半後だった。【山崎征克】

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