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「やっと家に」 シベリア抑留中に亡くなった父の遺骨が返還 横浜

毎日新聞 / 2024年11月22日 7時45分

県職員から父の遺骨を受け取る太田さん(左)=横浜市鶴見区で2024年11月21日午前11時32分、蓬田正志撮影

 シベリア抑留中に亡くなった父の遺骨が21日、横浜市鶴見区の太田尚子(ひさこ)さん(79)の元に返還された。政府が2018年にロシアのハバロフスク地方の墓地で収容した遺骨で、今夏に太田さんらがDNA鑑定を申し込み、身元が特定された。約10年前に亡くなった太田さんの母が眠る墓に埋葬するつもりだという。

 太田さんはこの日、自宅を訪れた県職員から、厚生労働省内で保管されていた遺骨を手渡された。

 父は寄友壮一さん。戦時中、一家は旧満州(現中国東北部)のハルビンで暮らしていたが、父は1945年5月に出征。戦後はシベリアに抑留され、同年12月に風土病で亡くなったという。33歳だった。

 太田さんは出征中に生まれたため、父の記憶はない。だが、13年に90歳で亡くなった母の鈴子さんはシベリア抑留された父の身を案じていたといい、「(母が)生きている時に遺骨が見つかれば良かった。やっと家に戻ってきました。安心してくださいと母に伝えたい」と話した。

 厚労省によると、海外や沖縄で戦没した人のうち、身元が特定されていない遺骨約1万4000柱(6月末現在)を保管している。【蓬田正志】

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