持ち寄り食材に「お互いさま」込め 公共冷蔵庫、困窮世帯の子に
毎日新聞 / 2024年11月28日 9時15分
生活に困窮した子育て家庭を支援する公共冷蔵庫「コミュニティーフリッジ」が鹿児島県霧島市にお目見えした。企業や市民が寄せた食料などを登録家庭が持ち帰れるようにする取り組みで、九州南部では初めて。12月1日から運営を始める。
公共冷蔵庫は2019年に岡山市で始まった活動で、これまでに全国15カ所に広がっている。霧島市では社会福祉法人「政典会」が運営に手を上げ、養護老人ホーム「国分舞鶴園」(同市国分重久)の敷地を拠点にした。九州では佐賀市の2カ所に続く設置だ。
メーカーから巨大な業務用冷凍冷蔵庫の提供を受け、車庫を改装した拠点に棚とともに設置した。利用対象は児童扶養手当か就学援助を受給する市内世帯。事前に登録すれば365日24時間、電子キーで拠点に立ち入れる。必要なもののバーコードをリーダーで読み取って持ち帰る。
物によって個数制限はあるが、既に物品の充実が進んでいる。米や缶詰、レトルト食品などの食料が寄せられ、マスク、ティッシュ、シェービングクリームなどさまざまな生活用品もそろう。
政典会は対象世帯とともに物資の提供者も募集している。物資は未開封で長期保存できるものに限る。食品の場合、ラベル表示のないものや消費期限切れなどは対象外。提供前に「フードプレゼンター」として登録する。
社会福祉士の横須誠吾・政典会在宅部長(47)は「困窮している家庭の子どもに『お互いさま』の気持ちで手を差し伸べたい。この仕組みが各地に広がれば」と話している。
政典会(0995・70・1500)。【梅山崇】
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