大阪・岸和田市長、性的関係巡り女性と和解 2年前に提訴、本人否定
毎日新聞 / 2024年11月28日 18時12分
大阪府岸和田市の永野耕平市長(46)から性的関係を強いられたとして、府内の女性が約2280万円の損害賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こしていたことが、女性の代理人弁護士への取材で明らかになった。訴訟は14日付で和解が成立。永野氏が謝罪し、解決金500万円を支払う内容で合意したという。
現職市長が私的な問題で訴えられるのは異例。永野氏は28日、毎日新聞などの取材に「性加害をしたとか、悪いことをしたということは絶対にない」と強調した。和解内容の口外を禁止する条項は付されていないが、「裁判所で秘匿されているため話せない」と繰り返した。
原告側の雪田樹理弁護士によると、女性は2019年に政治活動に関係して永野氏と知り合い、直後から性的な関係を求められたという。精神的に追い詰められた女性は体調を崩し、21年春から休職。心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断されたという。
和解調書によると、地裁は2人の関係について「男女として純粋に対等な関係ではなかった」と指摘。市長の地位や影響力などを踏まえ、「女性の就職や雇用維持を左右し得る優越的な立場で、社会的な上下関係が形成されていた」と述べた。
永野氏が公人で配偶者がいる点にも触れ、「性的関係を持つのは自制すべきだったとの非難を免れない」とする批判も展開。「被告は裁判所の所見を重く受け止め、訴訟にまで至ったことについて女性に謝罪の意を表明する」と明記された。
雪田弁護士は、永野氏が女性を誘い、平日の昼間にホテルへ行っていたことを明らかにした。「手を握ってくれ」などと求めていたという。雪田弁護士は「上下関係があり、関係を続けざるを得なかった。女性は納得しているわけではないが、実質的に勝訴となる和解だ」と話した。
女性は強制性交等容疑で大阪府警に被害届を提出したが、不起訴処分とされたことから、22年6月に民事裁判を起こしていた。永野氏は訴訟で性的関係について「同意があった」と主張し、請求棄却を求めていたという。
永野氏は18年2月に大阪維新の会公認で初当選し、現在2期目。【土田暁彦、中村宰和】
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