元地検トップから性的暴行被害の女性検事「一人じゃないと思えた」
毎日新聞 / 2024年12月3日 22時15分
大阪地検の元トップが性的暴行の罪に問われている事件を巡り、被害に遭った女性検事が3日、毎日新聞の単独インタビューに応じた。10月に開いた記者会見後に多くのメッセージが寄せられているとし、「孤独な闘いを続けていたが、一人じゃないと思えた。みなさんのコメントは生涯の宝物です」と語った。
弁護士の北川健太郎被告(65)は、地検の検事正だった2018年9月に酒に酔って抵抗できない部下の女性に性的暴行したとして、準強制性交等罪で起訴された。今年10月の初公判で起訴内容を認めて謝罪した。
女性は公判後に会見を開き、被害を受けてから約6年間の苦しみを語った。最後に同じ境遇にある人たちに向け、「『あなたは何も悪くない』と伝えたい。声を上げようか悩んでいるのであれば、信頼できる人に伝えてください」とのメッセージを投げかけた。
「警察に相談する勇気をもらえた」「頑張って」。会見内容を伝えるニュースには数々のコメントが寄せられたという。女性は「被害者が声を上げられるようになり、何か手を差し伸べてもらえるきっかけになったと思えた」と話す。
反響は他にもあった。今回の事件を受け、知り合いの元警察官が女性を支援しようと、性犯罪の被害者や支援者が集まるインターネット上のグループを設けた。心の傷や悩みを打ち明ける場だという。
女性は心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断され、現在は仕事を休んでいる。「私にもまだ支えが必要だが、困っている人に知識や経験を伝えて力になりたい。支援の輪が広がっていってほしい」と今後を見据えた。
女性の被害は性的暴行にとどまらない。被告は「事件が公になれば大スキャンダルになる」などと口外しないよう求める書面を女性に渡していたことが分かっている。同僚の副検事からは「詐病で金目当ての虚偽告訴だ」などと言いふらされたとして「2次被害」も訴えている。
女性は「性犯罪被害者は自分を責めるけど、『加害者が悪い』というのが当たり前だ」と話す。「被害者には勇気を持って申告してほしいし、受け止める警察や検察は被害者に寄り添った対応をしてほしい」と訴えた。【高良駿輔、木島諒子】
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
大阪地検トップから暴行の女性検事、2次被害の調査申し立て…「検察に何度も殺され続けている」
読売新聞 / 2024年12月4日 5時0分
-
〈わいせつ校長に求刑10年〉「卒業前に動画を消すよう頼んだのに…」泣きわめく女子生徒を撮影しわいせつ行為…保釈された“鬼畜校長”の素顔
集英社オンライン / 2024年12月3日 17時4分
-
経営する空手道場で女子児童に性的暴行・わいせつ行為・撮影などしたとされる61歳の男 初公判で起訴内容認める
RKB毎日放送 / 2024年11月18日 16時39分
-
相次ぐ米兵の性的暴行事件は、なぜ沖縄県に知らされなかったのか 「隠蔽」「形骸化」…指摘が浮き彫りにする、日米安保を取り巻く問題点
47NEWS / 2024年11月13日 10時0分
-
【佐藤優コラム】大阪地検はどうかしている 関西検察の病巣を除去する必要がある
東スポWEB / 2024年11月7日 16時4分
ランキング
-
1韓国大統領「非常戒厳」宣布で起死回生狙ったか 戒厳司令官を任命、国会議長は戒厳無効を宣言
東洋経済オンライン / 2024年12月4日 3時45分
-
2コンビニ駐車場で知人殴り土下座強要、容疑で高校生逮捕 「勝手に土下座した」と否認
産経ニュース / 2024年12月4日 14時36分
-
3地位協定改定、同盟持続性から検討=石破首相「党で議論し成案得る」―参院代表質問
時事通信 / 2024年12月4日 17時57分
-
4国民民主党・玉木代表、不倫問題で3か月間の役職停止処分…期間中は古川代表代行が職務代行
読売新聞 / 2024年12月4日 13時39分
-
5「右翼に殺されるかと…」靖国神社に“トイレ”落書きの中国人被告が主張した「日本の職場で受けた暴力」10年以上の日本生活で変化した「日本人のイメージ」
NEWSポストセブン / 2024年12月4日 10時59分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください