「国の責務」遺骨収容 いまだに112万柱残る 海外で調査進む
毎日新聞 / 2024年12月12日 17時42分
第二次世界大戦によって沖縄、硫黄島を含む海外で約240万人が亡くなった。厚生労働省は1952年度から海外の戦没者の遺骨収容を進め、2024年7月末現在約128万柱の遺骨が収容されている。だが、いまだに収容されていない遺骨が約112万柱残る。
16年には戦没者遺骨収集推進法が成立し、遺骨収容を「国の責務」とした。23年の法改正では、各国の国立公文書館に残る資料などを基にした現地調査・遺骨収集の集中実施期間が29年度まで5年間延長された。
約112万柱のうち沈没した艦船など海に眠る「海没遺骨」は約30万柱、現地の状況から収容困難な遺骨は約23万柱あり、これらを除く約59万柱を中心に現地調査や遺骨収容を進めている。
ペリリュー島やアンガウル島などからなるパラオ諸島の戦没者は約1万6200人だが、収容された遺骨は6割弱の9212柱(24年10月末現在)にとどまる。一般社団法人日本戦没者遺骨収集推進協会によると、ペリリュー島には埋没した戦車のほか、米軍が日本人の遺体を埋めた集団埋葬地がある。アンガウル島でも2カ所の日本人墓地で調査が進む。
一方、パラオ本島は少なくとも2カ所の埋葬地があるとみられるが、00年を最後に調査が行われていない。発掘許可申請には土地の所有者を探し出して同意を得なければならない。加えて本島はペリリュー島などに比べて州ごとの法律が厳しく調整が難しいという。【井川加菜美】
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