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小学生バレー連盟、児童へ体罰で処分の監督に練習出入り認める 大阪

毎日新聞 / 2024年12月17日 5時0分

写真はイメージ=ゲッティ

 大阪府小学生バレーボール連盟が、児童への体罰があったとして所属チームの男性監督を1年半の活動停止処分にしたにもかかわらず、処分後にも練習場への出入りを認めていたことが関係者への取材で明らかになった。連盟理事長の男性は毎日新聞の取材に「チームの存続を考えて練習場の開け閉めなど運営への関与は許可していたが、誤解を招く部分があった」と釈明した。

 体罰があったのは府北部のチームで、児童約20人が所属。男性は約20年前からボランティアで指導を続け、連盟役員も務めていた。

 関係者によると、男性の体罰は保護者らからの通報で発覚。連盟の調査で、2022~23年にチームの小学4~6年生数人に対し、ミスをした際に至近距離から顔面に向けてボールを投げつける▽首をつかんで無理やり顔を床に押しつけようとする▽体をつかんで投げ倒す▽裸足で練習をさせる――などの行為が確認されたという。

 連盟は一連の体罰がコンプライアンス規定に反し、連盟役員の立場にありながら許されない行為だと認定。23年7月、男性を25年1月までの1年6カ月間の活動停止処分とした。男性は処分期間の根拠が曖昧などとして不服を申し立てたが、認められなかった。関係者によると、活動停止中に禁じられる行動が明示されておらず、男性は処分後も練習場を訪れていたという。

 毎日新聞は9月上旬、チームの練習中に体育館に来た男性を確認した。男性は「月に数回、練習に行っていた」と認め「試合の申し込みや練習メニューの作成などをする運営者がいなくなるため、理事長から許可をもらっている。指導はしておらず、自分の中できちんと線を引いてやっている」と弁明した。

 一方、一切指導はしていないのかという問いには「子どものために『真面目に練習しいや』などと口を出すことはあるが、こうしろ、ああしろとは言わない。厳密にはダメかもしれないが、それを言える立場にあるのは僕しかいない」と話した。

 連盟によると、男性からチームの活動ができなくなると相談があり、理事長が運営への関与や練習場への出入りは許可した。だが、23年冬に「男性が指導している」との情報が寄せられたため、児童と接触しないよう指導した。しかし、しばらくすると男性は練習場に姿を見せるようになったという。

 理事長は「チームを存続させるために運営への関与は認めたが、誤解を招いた部分があったと反省している」と釈明。連盟の担当者は「本人や保護者への聞き取りで指導していた事実は確認できなかった。ただ、指導後も練習場に行っていたことから約束に反するとして厳重注意にした。処分期間中は一切、子どもたちの前に行かないよう指導する」と説明している。

 体罰問題に詳しい増田修治・白梅学園大教授(教師教育論)は「体罰で処分を受けた監督に対し、練習場への出入りや運営への関与を認めた連盟の対応はあまりにも甘すぎる。チームの存続や子どもたちのことを思うなら、別のチームに受け入れを頼んだり、代わりの指導者を招いたりするのが連盟の役割ではないか。一連の対応は活動停止処分を形骸化させるもので、体罰に対する認識が低いと言わざるを得ない」と指摘する。【面川美栄、郡悠介】

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