現場近くの小学校、4分の1の児童が欠席 北九州2人死傷、広がる不安
毎日新聞 / 2024年12月16日 19時14分
北九州市小倉南区のファストフード店で14日夜に中学生の男女2人が男性に刺されて死傷した事件では、男性が現在も逃走中で、地域の住民や子どもたちに不安が広がっている。
現場の西約350メートルにある市立広徳(こうとく)小学校では16日午後、警察や地域のまちづくり協議会のメンバー、教職員らが通学路に立ち、下校する児童たちを見守った。車などで子どもを送迎する保護者も多く、小学2年の息子を迎えに来た母親(37)は「近くで事件が起き、ショックだった。明日からは仕事で迎えに行けないので、登校させるかどうか迷っている」と不安げに話した。
同小によると、この日は全校児童348人の約4分の1に当たる83人が欠席した。「子どもが『怖い』と言っている」「学校への送迎ができない」などの理由だという。土田成夫校長は「登校した児童も教室に鍵を掛けたりするなど不安な様子だった。子どもが日常を取り戻すことを第一に考えたいが、犯人が捕まらなくては難しい」と話した。
市教委によると、被害生徒が在籍している中学校は16日は休校し、17日から再開する。ただ、通常授業はせず、アンケートや全生徒への面談を実施するなどして生徒の心のケアにあたる。日没後の下校を避けるため、当面の間、全ての市立小中学校の児童・生徒を午後5時までに下校させる。
福岡県警は16日から、登下校中や夜間帯のパトロール態勢を強化。登下校中は学校周辺に制服を着た警察官を配置したり、白バイが巡回したりするほか、ヘリコプターを飛ばし上空からも目を光らせる。夜間もパトカーなどが赤色灯をつけて見回る。警戒のため、1日当たり100人超の警察官を投入する。
子どもたちの不安に保護者や周囲の大人たちはどう対応すればいいのか。東京学芸大の小林正幸名誉教授(教育臨床心理学)は「子どもの恐怖や不安を助長しないように、大人は冷静に受け止めて子どもと接することが大事だ」と話す。児童・生徒が登校を嫌がる場合は無理に行かせず、学校側も子どもがリモートで授業を受けられるようにするなど柔軟な対応が必要と指摘する。
日常生活でも食べ過ぎたり、眠れなかったりなどSOSが表れることがある。小林名誉教授は「子どもっぽくなるなど、普段とは異なる行動があっても、一方的に否定せずに様子を見てほしい」とする。時間がたってから言動に表れる場合もあり、「子どもに『不安に思ったらいつでも教えて』などと伝えながら見守ってほしい」と呼びかけた。【山下智恵、田崎春菜、河慧琳】
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
専門家「不審者いればすぐ逃げて」 孤立受け入れる重要性も 通り魔事件、身を守るために
産経ニュース / 2024年12月16日 19時52分
-
子どもの心のケア急務、北九州 識者「大人の結束が重要」
共同通信 / 2024年12月16日 17時52分
-
マクドナルドで中学3年の男女を刺した男、身を守る間も与えず襲ったか…店員も犯行目撃できず
読売新聞 / 2024年12月16日 13時0分
-
中学生死傷事件受け 北九州市教育委員会が保護者に通知 見守りなど協力求める
FBS福岡放送ニュース / 2024年12月16日 6時1分
-
マクドナルド中3殺傷、北九州市で部活や学校イベント中止…「塾帰りに自分も利用」と不安な生徒も
読売新聞 / 2024年12月15日 21時50分
ランキング
-
1北九州中学生2人死傷 逃走の男性は黄色のサンダル着用か
毎日新聞 / 2024年12月16日 16時10分
-
2現場近くの小学校、4分の1の児童が欠席 北九州2人死傷、広がる不安
毎日新聞 / 2024年12月16日 19時14分
-
3インフルエンザ感染急拡大も「薬が足りない」 患者数は1週間で2倍「診察の予約とれない」の悲鳴
J-CASTニュース / 2024年12月16日 12時10分
-
4N党・立花孝志氏を任意聴取へ 「虚偽の投稿で名誉毀損」と奥谷県議が刑事告訴 兵庫県警
ABCニュース / 2024年12月16日 15時16分
-
5太陽光パネルのリサイクル、義務化へ 費用は製造業者らの負担に
毎日新聞 / 2024年12月16日 19時5分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください