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終戦後も「終わらなかった戦争」伝える シベリア抑留など展示 栃木

毎日新聞 / 2024年12月19日 9時45分

展示された資料を熱心に見る来場者=宇都宮市本町で2024年12月18日午前10時37分、藤田祐子撮影

 第二次世界大戦後にシベリア抑留や海外からの引き揚げを経験した人たちの記録を伝える「平和祈念展in栃木」が18日、栃木県宇都宮市本町の県総合文化センターで始まった。帰還者たちの記憶ミュージアム(平和祈念展示資料館)=東京都新宿区=が所蔵する資料や絵画、写真などの全国巡回展で、県内での開催は初めて。

 展示は、兵士、強制抑留者(シベリア抑留者)、海外引き揚げ者それぞれの当時の衣類や道具、手紙などで、終戦後も「終わらなかった戦争」の実態を伝える。鹿沼市生まれの軍医、満川元行さん(1916~2000年)が駐留先のパラオや東部ニューギニアで軍務の合間に描いた水彩スケッチなど、県関係者の資料もある。

 鹿沼市石橋町出身の坂寄啓佑さん(1921年~不明)は21歳で徴兵され、旧満州で武装解除後、ソ連から「戦犯」として50年4月以降も労働刑を科された長期抑留者となった。坂寄さんが収容所から故郷に送ったはがき、日本帰還のめどが立たないことを理由に勤務先の日立製作所から解雇を告げる51年8月の通知書など、遺族から寄贈された資料が、戦後も続いた苦難を伝える。

 ミュージアムの山口隆行学芸員は「巡回展の中でも地元色を強めた。同じ場所で異なる時代を生きた人の人生が戦争で大きく影響されたことに思いをはせてほしい」と話した。

 24日まで、午前10時~午後6時(入場は同5時半まで)、最終日は同4時閉場。入場無料。会期中無休。21、22両日の午後2時からは学芸員のギャラリートークがある(予約不要、無料)。【藤田祐子】

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