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売掛金取り立てを規制へ 悪質ホスト問題 風営法改正案を来年提出

毎日新聞 / 2024年12月19日 10時5分

東京・歌舞伎町では、ホストクラブの客引きや性風俗店のスカウトとみられる男性らが、行き交う女性に声を掛けていた=東京都新宿区で2024年12月17日午後8時1分、加藤昌平撮影

 支払い能力を超える売掛金(ツケ)を女性客に背負わせる悪質なホストクラブへの対策を議論してきた警察庁の有識者検討会(座長=山田洋・一橋大名誉教授)は19日、売掛金の悪質な取り立てなどを規制対象に加えるよう提言した報告書を公表した。警察庁は報告書に沿って、風営法の改正案を来年1月召集の通常国会に提出する方針。

 報告書では、客が借金漬けになることへの対策として、料金の虚偽説明と、恋愛感情などにつけ込んで客を依存させ高額な飲食をさせる行為を規制すべきだと指摘した。また、客が正常な判断ができない状態での高額な飲食も規制対象にすべきだとした。

 借金をした女性に売春や性風俗店での勤務をさせて、その収入を取り立てることへの対策については、売掛金や立て替え払いなどの債権の名目を問わず、現行の法令で対応できていない料金の支払いに関する悪質な取り立てに対して規制を設けるべきだと提言した。

 悪質な取り立ての具体例としては、「支払わなければ実家に行く」などと威迫する行為と、支払いのために女性を困惑させたり畏怖(いふ)させたりして、売春や性風俗店での勤務を求める行為をあげた。

 また、女性の性風俗店へのあっせんを防止するため、性風俗店側が女性の紹介を受けた場合にスカウトらに支払う対価「スカウトバック」についても規制すべきだとした。

 警察庁が規制を検討する料金の虚偽説明とは、入店時に「3000円ぽっきり」「指名料だけ」と説明したのに、実際は高額の請求をする行為を想定。恋愛感情につけ込む行為は、「明日来てくれないと、俺たちの関係終わっちゃうかもな」などとホストが言うことが考えられるという。

 正常な判断ができない状態とは、客が注文する前に酒を次々と持ってきて、ホストが「もうシャンパン開けちゃったよ」と言う行為や、客が酒に酔って分からないうちに注文する行為など。これらの行為を、風営法が規制する「順守事項」に加える方針。

 売掛金の取り立てで困惑や畏怖させる状態とは、「君が立ちんぼ(街頭での客待ち)してくれなければ、もう君とは結婚できないかもしれない」とホストが言う行為など。取り立てとスカウトバックの支払いは、ただちに刑事罰の対象となる風営法の「禁止行為」に加える考え。【山崎征克】

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