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インサイダー取引で元裁判官を在宅起訴 金融庁出向中にTOB悪用か

毎日新聞 / 2024年12月25日 15時22分

金融庁と証券取引等監視委員会が入る中央合同庁舎の看板=東京都千代田区霞が関で2019年2月10日、本橋和夫撮影

 企業の未公表の株式の公開買い付け(TOB)情報を基にインサイダー取引をしたとして、東京地検特捜部は25日、裁判官出身で金融庁に出向していた佐藤壮一郎元職員(32)を金融商品取引法違反で在宅起訴した。

 インサイダー取引で刑事責任を問われた裁判官は過去にいないとみられる。

 佐藤被告は4月に金融庁に出向し、企画市場局企業開示課の課長補佐としてTOBの審査を担当していた。

 証券取引等監視委員会は23日、佐藤被告が職務上知ったTOB予定企業の株式の価格や期間に基づき、9月ごろまで、自己名義で計10銘柄の計1万1800株を約951万円で買い付けていたとして、金商法違反容疑で特捜部に刑事告発していた。

 佐藤被告は2019年に判事補に任官。不審な株取引を把握した監視委が24年9月に佐藤被告の関係先を強制調査していた。

 金融庁は12月23日付で佐藤被告を懲戒免職とした。【北村秀徳】

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