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高橋まつりさん死去9年 母、悲しみ癒えず 絶えぬ過労死に憤り

毎日新聞 / 2024年12月25日 0時0分

親子で富士山を登山した時の高橋まつりさん(右)と母幸美さん=2013年7月29日(幸美さん提供)

 広告大手電通の新入社員だった高橋まつりさん(当時24歳)が過労自殺してから25日で9年。母幸美さん(61)が代理人弁護士を通じて手記を公開した。生きていたら33歳、入社10年目。「たとえ『電通過労死事件』が人の記憶から消えても、どんなに時が過ぎても、まつりは大切な愛(いと)しい娘。一生忘れることはありません」と思いをつづった。

 電通の残業時間を減らす取り組みについては、「全体的には残業時間を減らすことはできているのかもしれません」と理解を示しつつ、「残業時間が長い社員は知らないうちに病気になる危険が高いということを絶対に忘れないで」と伝えた。

 今年は、過労死防止法施行から10年にあたる。幸美さんら遺族の力もあり、企業の働き方改革が叫ばれるようにもなった。だが、過労死は絶えず、労災の中でもうつ病など精神障害は昨年度883件で過去最多だった。幸美さんはこうした点に触れ、「過労死対策に何が足りないのか。どうしたら過労死がなくせるのか。私たち遺族の意見を本気で聞いて、対策を見直してほしい」と国に求めた。【宇多川はるか】

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