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「不朽の名作」レンズ付きフィルムで味わう新宿界隈

毎日新聞 / 2024年12月30日 7時0分

派手な看板も、並ぶと地味に思えてきます……=2024年12月4日、中村琢磨撮影(FUJICOLOR 写ルンです)

 前回のピンホールカメラで「レンズがなくても写るんです!」と見出しに掲げたら、多くの方からコメントを頂戴しました。「次は、レンズ付きフィルムだね」。確かに、聞き覚えのある単語ですね、「写るんです!」。【中村琢磨】

 最近、レンズ付きフィルムが一部の若者の間で人気だと聞いて、「どんな時代でも、“あまのじゃく”や“ひねくれ者”がいるものだ」と頼もしく思いました。あえて不便を楽しめる人は貴重です。皆がネズミの大群のごとく、一方向に突っ走っていったら、滅亡へ一直線……なんてことにもなりかねません。

 あっ、偉そうなことは言えませんね。「社会の木鐸(ぼくたく)」を掲げる新聞社にも戦中のプロパガンダに加担した過去がありますから。少数意見はいつの時代も大切です。

 ちょっと話がずれてしまいました。

 要するに自らの興味を楽しむのは、大いに結構ってことです。難しい事を考えないアナログ人間にとって、こんな見事なアイテム、デバイスはありません。レンズ付きフィルムは「不朽の名作」なのです。

 レンズ付きフィルムのストロボは、遠距離には効果がありません。そこで、スレーブストロボ(同調して光る外部の装置)が威力を発揮します。作例が「写真特集」に掲載されているので、興味があったら見てくださいね。でもデジタル対応しているものや、プレ発光機能のあるタイプは避けましょう。機能がシンプルな旧タイプのスレーブストロボを使ってください。旧人間は、旧装置を使わなくてはなりませぬ。

撮影機材

 「FUJICOLOR 写ルンです SIMPLE ACE」と「Kodak FunSaver」を使ってみました。どちらも、画角が30ミリぐらいで、絞りはF8とF11の間ぐらい、シャッタースピードは125分の1秒ぐらいでしょうか(個人の感想です)。ピントは固定で、両社とも約1.5メートル~無限遠。違いが大きいのは、フィルムの感度です。F社がISO400なのに対し、K社はISO800。暗い時には、ちょっとだけK社の方が有利かな。でも、使い勝手や好みも大きいから、どちらを選ぶかはあなた次第です。

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