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高額療養費制度、自己負担限度額を引き上げへ 25年8月から

毎日新聞 / 2024年12月25日 19時21分

写真はイメージ=ゲッティ

 政府は25日、高額な医療費の負担を一定に抑える「高額療養費制度」の自己負担限度額(月額)を、来年8月から3段階で引き上げ、2027年8月に平均所得層(年収約370万~約770万円)で最大5万8500円を引き上げるなどの見直し案を固めた。福岡資麿厚生労働相と加藤勝信財務相が折衝し、合意した。

 高額療養費制度は、年収や年齢によって限度額が変わる。70歳未満は来年8月に現行の区分のまま2・7~15%を引き上げる。その後、年収区分を5区分から13区分に細分化し、26年8月と27年8月に引き上げる。

 約4120万人が対象となる平均所得層は25年8月に限度額を10%引き上げ、8100円増の8万8200円とした上で3区分に分ける。このうち、最も高い層(年収約650万~約770万円)は最終的に13万8600円となる。

 年収約1650万円以上の層の限度額は25万2600円から最終的に1・75倍となる44万4300円に上がる。世帯年収の上昇や所得のある人に負担を課す「応能負担」の考えを背景に引き上げる一方、低所得層には上げ幅を抑えるなど配慮した。

 70歳以上で一般的な所得層(年収約370万円以下)を含めた所得の低い層に、外来受診の自己負担の上限を設ける「外来特例」も26年8月に見直す。一般的な所得層で、医療費の窓口負担割合が2割の人は1万円増の2万8000円、1割負担だと2000円増の2万円。住民税非課税の場合は5000円増の1万3000円。基礎年金のみを受給する層は現行の8000円に据え置く。

 医薬品の公定価格「薬価」について、全品目の半数程度で引き下げる方針も確認。医療費ベースで2466億円抑制する。これらの見直しで約1700億円の保険料負担を軽減できるとした。【阿部絢美、神足俊輔】

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