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インフルとマイコプラズマ肺炎の同時流行に注意 自覚しづらい症状も

毎日新聞 / 2024年12月27日 5時0分

(写真はイメージ)=ゲッティ

 しつこいせき症状が特徴のマイコプラズマ肺炎の患者数が秋ごろから多い状態が続く中で、インフルエンザの流行が本格化した。同時期に発症したために、熱もせきもといったように、つらい症状をダブルで抱える人まで出ている。

「まさか」の同時

 首都圏在住の高校1年の男子生徒は12月に入り突然、38度を超える発熱に見舞われた。近所のクリニックを受診して検査を受けると、インフルエンザ陽性と判定された。自宅で解熱剤を飲みつつ静養していたが、発症から4日たっても熱が下がらなかった。

 せきもひどくなりだしたため、別の病院を受診した。レントゲン検査を受けたところ、肺の一部が白くなっていて、肺炎を起こしていた。

 マイコプラズマ肺炎に感染した可能性があるとの診断だった。男子生徒は処方された抗菌薬と解熱剤を飲み、発症から9日でようやく熱が治まった。

 生徒の父親(54)は「(インフルエンザとマイコプラズマ肺炎の)いずれの感染症もはやっているとは聞いていたが、まさかほぼ同時に感染するとは思ってもみなかった」と驚いた様子だった。

重症化する例も

 「マイコプラズマ肺炎は1日に3、4人の点滴加療をしています。今までにない状況です。そこにインフルエンザの流行があり、1日20人ほどの陽性者を診断、治療しています」。ひまわり医院(東京都江戸川区)の伊藤大介院長は話す。

 インフルエンザは発熱に加え、喉の痛み、せき、鼻水、頭痛などの症状が表れる。特に頭痛や関節痛がつらいと訴える患者が多い。

 マイコプラズマ肺炎はせき症状が強く出やすいが、発熱が少ない。このため同時感染すると、つらい症状が重なり、発熱が強く、しかもせきや息切れもひどくなるという。

 「どちらも治療をしなければならず、重症化したり後遺症が残って長引いたりするケースも散見されます」と伊藤院長は言う。

予防法は

 いずれの感染症も飛沫(ひまつ)感染が主な感染経路で、予防法には、人との密接な接触を避けることや手洗いの徹底、ドアノブや手すりなどの触れる部分を清潔にすることなどがある。

 しっかり睡眠を取る、水分をたっぷり取り、規則正しく栄養のある食事を取ることも重要だ。人と食器を分けたり大皿料理を一緒に食べるのを避けたりする▽水か緑茶でのうがいをする――ことも予防になる。

 発熱が少ないマイコプラズマ肺炎は、かかったことを自覚しにくい病気でもある。「せきが長引いている人や、寝ている時や話している時もずっとせきが出て日常生活に困っている人、市販薬を飲んでも治りが悪い人は、発熱がなくても病院を受診してほしい」と伊藤院長は呼び掛けている。【井出礼子】

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