呼吸を続ける神戸の街 阪神大震災から30年
毎日新聞 / 2025年1月4日 16時0分
最大震度7を記録した阪神大震災から間もなく30年。神戸市を中心に地震直後に撮影された場所を訪れると、復興した姿に震災の爪痕を見ることはほとんどなくなった。1995年から2024年11月までの神戸市の出生者数は36万762人。同市の人口(24年12月1日時点)は149万2017人で、震災を直接経験していない世代も増えた。破壊された街でも人々の営みは続き、都市機能は再生を遂げた。定点の比較は30年という時の経過を感じさせた。
私(記者)は地震があった1995年1月17日、神戸市西区の自宅で就寝中だった。当時15歳。突き上げるような、とてつもない揺れと「起きろ!」と叫んだ父の声で目が覚めた。家族は無事だったが、父が経営していた学習塾は半壊認定を受けたため閉じ、収入は大きく減った。
同じ年の4月に入学した同市長田区の高校では、体育館が避難所となっていて、授業には制限があった。グラウンドには大きなひびが入り、工事のトラックが行き来していた。火災で焼失した住宅跡を横目に通学していたが、あちらこちらに供えられていた花が印象に残る。また、倒壊した建物の解体工事現場には独特のにおいがあった。災害取材で各地の被災現場を訪れた時には同じにおいを感じて震災当時の記憶と結びつくこともある。
通学路の近くには猛火に見舞われた「菅原(すがはら)商店街」(同区)があった。現在、商店街だった場所でたばこ店を営む平田昭さん(78)は地震後の火災で当時の店舗兼住宅が全焼。プレハブの仮店舗を経て、震災から7、8年後に店を再建したが「30年という月日がたっても忘れることはできない。東北、熊本、能登などで地震が起きると、被災者の気持ちがよく分かる。私たちの力ではどうしようもないけど、心は寄せたい」と話す。街の姿は変わっても、人の思いは変わらない。【大西岳彦】
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