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証拠の捏造は「不明」 静岡県警、袴田さん捜査の検証結果公表

毎日新聞 / 2024年12月26日 15時55分

帰宅した姉秀子さん(右)から再審の無罪判決を伝えられる袴田巌さん=浜松市で2024年9月26日(袴田さん支援クラブ提供の動画から)

 1966年6月に静岡県清水市(現静岡市)で一家4人が殺害された事件で、再審無罪が確定した袴田巌さん(88)に対する捜査について、静岡県警は26日、検証結果を公表した。逮捕後19日間にわたり1日平均12時間の取り調べを行ったのは、供述の任意性が否定される方法で「不適正」とし、再審無罪判決が認定した「5点の衣類」の証拠捏造(ねつぞう)について、具体的な事実や証言を得られず「不明」とした。

 事件は66年6月30日未明に発生。みそ製造会社の専務一家が殺害され、従業員だった袴田さんが強盗殺人などの疑いで逮捕され、犯行を「自白」した。裁判で無罪主張に転じたが、事件から1年以上後に、みそタンクから発見された犯行時の着衣とされる「5点の衣類」が決定的な証拠となり、静岡地裁が死刑判決を言い渡し、80年に最高裁で確定した。

 今年9月、再審で静岡地裁は「5点の衣類」や自白調書などの証拠について捜査機関による捏造があったと認定し、無罪判決を言い渡した。その後、静岡県警の津田隆好本部長は浜松市の袴田さんの自宅を訪れ、「58年間の長きにわたり、言葉では言い尽くせないほどのご心労、ご負担をおかけし、申し訳ありませんでした」と直接謝罪した。【丘絢太】

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