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大阪・関西万博、入場券販売が低迷 前売り目標の半分にとどまる

毎日新聞 / 2024年12月26日 20時38分

IR・万博会場の夢洲=大阪市此花区で2022年2月12日、本社ヘリから藤井達也撮影

 2025年大阪・関西万博を運営する日本国際博覧会協会は26日、東京都内で理事会を開き、入場券の販売状況や販売促進策について協議した。18日現在の販売総数は約744万枚で、そのうち公式ウェブサイトを通じた一般向けは6%に当たる約47万枚にとどまる。全国のコンビニで10月から始まった紙チケットの販売実績も約5000枚と低迷している現状も明らかになった。

 協会はこの日、前売り入場券の販売内訳を公表した。協会が企業などに直接販売したのが613万枚で、全体の82%を占める。旅行会社やコンビニなどへの委託販売は約84万枚、公式ウェブサイトでの一般向け販売が約47万枚だった。

 販売総数も前売り目標の1400万枚の半分にとどまる。伸び悩みの一因として、会場の混雑緩和のため、インターネットで「万博ID」を取得して、電子チケットを購入する手続きの煩雑さが指摘された。協会は当初予定していなかった紙チケットの導入にかじを切ったが、打開策とはなり得ていないようだ。

 協会の十倉雅和会長(経団連会長)は26日の記者会見で「ウェブについては改善の余地がある。前売りのピークは来年1~3月だとみている。いろいろな手を打ち、(1400万枚の達成に)自信はある」と述べた。紙チケットについても「これから高まるだろう。スタート時としては少ないとは思わない」と楽観的な見通しを示した。

 今後の販売促進策として、万博会場の夢洲(ゆめしま)(大阪市此花区)に近いテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」(USJ)と連携して、新規の顧客を開拓することなどを挙げた。十倉会長は「シナジー効果はある。(万博とUSJの)二つを同時に見られるなら行く、となる」と自信を見せた。パビリオンの予約抽選の申し込みが本格化する来年1月13日に合わせて、来場の動機付けになる情報発信を強化するとした。

 万博の運営費は人件費の高騰などにより、当初計画の809億円から1・4倍の1160億円に膨らんだ。運営費はチケットの収入で全体の8割超をまかなう計画で、2300万枚の販売を最終目標に掲げる。

 経済産業省は今月18日の国会質疑で、損益分岐点について、想定来場者数(2820万人)の80%で収支が釣り合うとの計画を立てていることに言及した。赤字が出た場合の責任の所在は決まっていない。【福富智、東久保逸夫、藤河匠】

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