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異例の「間接正犯」の殺人罪で2人起訴 踏切内立ち入らせ同僚殺害か

毎日新聞 / 2024年12月27日 20時33分

東京地検が入る庁舎=金寿英撮影

 東京都板橋区で2023年12月、男性が電車にはねられ死亡した事件で、男性に踏切内に立ち入るよう強要したなどとして、東京地検は27日、塗装会社「エムエー建装」の従業員、島畑明仁(34)と野崎俊太(39)の両容疑者を殺人と監禁罪で起訴した。被害者を直接手にかけない「間接正犯」で殺人罪を適用するのは異例とみられる。

 現場の踏切に同行していなかった同社代表取締役の佐々木学容疑者(39)と、従業員の岩出篤哉容疑者(30)については、殺人容疑は処分保留とし、監禁罪のみで起訴した。

 起訴状などによると、4被告は共謀して、23年12月2~3日、同僚だった高野修さん(当時56歳)を板橋区の自宅近くで乗用車に乗せて監禁。また島畑、野崎両被告は、高野さんを車で埼玉県戸田市の橋に連れて行き、川に飛び込むよう迫ったうえ、板橋区内の踏切近くに移動。3日午前0時10分ごろ、踏切に立ち入らせ電車に衝突させて殺害したとされる。

 地検は4人の認否を明らかにしていない。

 警視庁捜査1課は、被告らのスマートフォンの解析などから、高野さんが4人から日常的に暴行を受け、給与未払いなどで経済的にも支配されていたと判断。指示に従わざるを得ない精神状態に追い込まれていたとして、4人を殺人と監禁容疑で逮捕していた。

 専修大法科大学院の加藤克佳教授(刑事法)は殺人罪での起訴について「日ごろのやり取りや力関係に着目し、被害者は自由に意思決定ができない精神状態だったと推認したのだろう」と指摘した。

 一方で、佐々木、岩出両被告が殺人容疑では処分保留となった点については「現場には同行しておらず、殺害への関与を立証するのは現時点では難しいと判断したのだろう。今後、両被告が被害者を橋や踏切に連れて行くことを認識していたかどうかの立証が重要になる」と話した。【岩崎歩、岩本桜】

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