笑顔一つ検知で1円 アプリで寄付金、高校生が奮闘 滋賀
毎日新聞 / 2024年12月29日 9時15分
滋賀県立守山北高(守山市笠原町)の生徒が、AI(人工知能)による笑顔検知アプリを利用した地域活性化をしようと、22日に行われた冬の守山をにぎわすイベント「もりやまいち」で、市と事業者と協力して実証実験を行った。集めた笑顔の数だけ寄付金が贈られる試みで、生徒たちは「誰かの笑顔で別の誰かを笑顔にしよう」と奮闘した。
アプリは「ワンスマイルテック」(横浜市)が開発した「スマイラル」で、スマートフォンなどに入れたアプリがカメラを通して認識した笑顔一つにつき1円が数えられ、合計金額が協力企業から福祉施設や災害被災地などに寄付される。守山市が企業と連携して社会課題の解決を目指す「官民連携プロジェクトサポート事業」の一環で、11月から市や事業者の担当者が生徒とともに実験方法などを考えてきた。
当日はもりやまいち実行委本部テント前に固定カメラを設置し、通りかかる人たちの笑顔を検知。生徒たちは「1万個の笑顔を集めるよう」と二人一組となって、アプリを入れたタブレットを持って会場を巡回した。プライバシーに配慮して記録として残る撮影はしておらず、ステージを観覧したり、屋台の料理を食べたりしている人に生徒が声がけして笑顔を向けてもらい、約5時間半で固定カメラと巡回によって計1万0042個の笑顔を集めた。
1年の二平結衣さん(16)は「子供たちはアプリに興味津々で、自然と笑顔を向けてくれた。すると一緒にいる大人も笑顔になる『笑顔の連鎖』が生まれた。どうしたら笑顔になってくれるか考えるのも楽しかった」と、自らも笑顔で実験を振り返った。
集めた笑顔の数と同じ1万0042円はもりやまいち実行委とメンズテーラーブランド「デビッドレイヤー」(同市焰魔堂町)の協力で、生徒たちが検討した寄付先に贈られる。【礒野健一】
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