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魚も体も… 東京五輪「金」ウルフさん、中学で「さばき方」教室

毎日新聞 / 2024年12月28日 10時51分

ウルフ・アロンさん(左)からタイのさばき方の指導を受ける市立沼島中の生徒=兵庫県南あわじ市・沼島で2024年12月17日、入江直樹撮影

 2021年東京オリンピック柔道100キロ級金メダリストのウルフ・アロンさんが紀伊水道に浮かぶ人口約360人の沼島(ぬしま)(兵庫県南あわじ市)を訪問。「たいさばき教室」と題し、島唯一の沼島中学校の生徒らに特別講義をした。

 生徒・教職員らに拍手で迎えられ、真っ先に向かったのは調理室。エプロン姿で刺し身包丁を握り、3年生全6人と特産のタイなど新鮮な魚を沼島漁協青年部の指導の下でさばいた。

 脂ののったブリの五枚おろしでは「もう少し血合いを取り除いて」「骨断ちは軟骨に刃を入れて」などの助言を受け、手慣れた包丁さばきを見せた。

 ウルフさんは料理が趣味。練習の合間を縫って週1回程度魚をさばき、自身のユーチューブチャンネルに投稿している。タイを担当した生徒には切り身にする際の刃の入れ方など「タイさばき」を指導した。

 昼食は調理したブリしゃぶ、タイのあら炊きなどを堪能した。生徒の1人が「魚をきれいにさばいてくれてありがとうございます」とお礼を言うと「『魚をきれいに』じゃなく『きれいな魚を』だよ」と優しく返して笑いを誘った。

 切り身のやり方を教えてもらった寺田瑞希さん(15)は「話も面白かったし、手早く丁寧にさばいていて、かっこよかった」と興奮気味に話した。

 午後からは柔道着に着替えて「体さばき」を含む技のかけ方や心がけなどを学んだ。

 今回の訪問は小中学校に著名人を招く市事業「夢プロジェクト」の一環で、17日にあった。多くの強豪選手の育成歴がある同校柔道部顧問、奈木宏昌教諭のつてで実現した。【入江直樹】

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