年末年始は雪下ろし、交通事故に要注意 積雪シーズン本格化
毎日新聞 / 2024年12月31日 6時15分
札幌管区気象台によると、31日昼ごろから1月1日午前にかけて、低気圧の接近により北海道内全域で雪が降りやすくなる。2、3日は冬型の気圧配置となり、オホーツク海側や太平洋側で晴れ間が見える一方、日本海側では降雪が見込まれるという。本格的な積雪シーズンを迎え、道警や気象台は雪下ろし事故やスリップ事故などに注意を呼びかけている。
気象台によると、道内の12月の積雪量は平年の7割程度と少なめだった。だが、来年1、2月は平年よりも気温が低くなり、積雪も日本海側を中心に平年以上に多くなることが予想されるという。
大雪で懸念されるのが、雪下ろし中に転落したり落雪に巻き込まれたりする事故だ。道内で今シーズン、事故に遭ったのは27日時点で18人(速報値)。このうち13人は70歳以上で高齢者は特に注意が必要だ。
岩見沢市では21日、積雪が1メートルを超える大雪となり、屋根の雪下ろしをしていた男性(73)が転落して首などを骨折する事故も起きた。道警地域企画課の宮竹恒二指導官は「(雪下ろし中の事故は)毎年、1、2月にぐっと増える。軒下には近寄らず、作業時は複数人で命綱を使ってほしい。除排雪支援がある自治体もあるので、高齢の方などはぜひ相談を」と呼びかける。
交通事故にも警戒が必要だ。12月は凍結路面や圧雪アイスバーンでのスリップが関係する事故が122件発生(27日現在、速報値)。1月以降はホワイトアウトによる視界不良が起きて複数台が絡む事故も増える懸念があり、道警交通企画課の藤原学管理官は「急ブレーキ、急ハンドル、急加速など『急』がつく運転は、冬の北海道では厳禁だ」と警鐘を鳴らす。【後藤佳怜、伊藤遥】
雪が多い地域の運転、注意することは
冬の北海道を運転するにはどんな備えが必要なのだろうか。日本自動車連盟(JAF)札幌支部事業課の高橋純さんに聞いた。【聞き手・後藤佳怜】
まず幹線道路を中心にルート設計するのがポイントだ。実際は2車線でも、積雪で1車線しか走行できないこともしばしば。「雪道に抜け道なし」と思って、カーナビを過信しすぎず大きな道路を中心に走るとよい。
タイヤが雪に埋まったり吹雪で動けなくなったりして車内で待機する場合は、一酸化炭素中毒にならないよう定期的に空気を入れ替えてほしい。万が一に備え、あらかじめ救援依頼先の番号を携帯電話に登録しておくとよい。充電器の用意も忘れずに。
特にスリップしやすい場所は、風を遮るものがない橋の上やトンネル出入り口付近だ。一見ぬれたアスファルトのように黒く見える「ブラックアイスバーン」も危険。日中に雪が解けたり雨が降ったりしたあとの夜間に発生しやすい。
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