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「東京に最も近い未知の国」「氣志團」綾小路翔さんが語る地元・千葉

毎日新聞 / 2025年1月1日 18時0分

氣志團の綾小路翔さん=東京都品川区で2019年12月17日、藤井達也撮影

 映画やドラマ、小説、歌謡曲、漫画……。千葉県が舞台となった作品は多い。また、映画やドラマのロケ地になることも増え、数多くの作品が生み出されてきた。それは、千葉固有の風土、文化、人情が、作家や制作者らにインスピレーションを与えてきたからではないだろうか。そんな、千葉と物語が重なり生まれた、さまざまな「ちば物語」が誕生した地を訪ね歩く。

 人気ロックバンド「氣志團」のリーダー、綾小路翔さんは木更津・君津・富津・袖ケ浦市を地元として愛している。テレビドラマ「木更津キャッツアイ」にも出演した。

   ◇

 ――出演時の思い出を教えてください。

 ◆デビュー直後にまさかのオファー。チョイ役だとばかり思っていたら、1話丸ごとメインキャラという異例の大抜てきでした。メンバー全員でお芝居の練習とダイエットを兼ねた合宿に行った事を覚えています。またロケの合間に、うっちー役の岡田義徳くんを伴って、今は閉店した木更津の名物・中橋食堂に行ったことも良き思い出です。みまち通りにオジーの像が置かれていたり、実際の先輩の実家である佐々木写真館がそのまま使われたり、あらゆるものに感動と興奮がありました。

 ――特に印象に残っているシーンはありますか?

 ◆やはり自分たちのライブシーンでしょうか。日本中に我々の存在が放たれた瞬間でした。それと、氣志團全員で縦整列で行進して来る初登場シーンや、全くストーリーに関係のない自身のキスシーンも忘れられません。また、「おいくら万円?」という、僕のアドリブが、のちに一般層の方々にも浸透し、日常会話で使われている状況を目にした時はかなり驚きました。

 ――「木更津PR大使」を務められるなど、地元を全国に発信されていますね。

 ◆できる事なら、具体的に街の活性化へつながる活動に参加したい。大人と若者をつなぐ架け橋になれたらうれしいです。

 ――県が映像作品の舞台になることへの思いがあればお聞かせください。

 ◆東京に最も近い未知の国、それが千葉県だと思っています。これまであまりにも近いが故に誰にも注目されてこなかったわけですが、ついにその隠された魅力が明かされる時が来たのだなぁと誇らしい思いはもちろんのこと、一抹の寂しさも抱いております。

 ――県に作品の舞台として、ポテンシャルを感じますか?

 ◆2002年ごろから、木更津キャッツアイや、我々氣志團のMVを見た方々からたくさんの問い合わせがあり、現在では木更津かいわいが多くの映画やテレビドラマ、ミュージックビデオの撮影地になっている事は自分の数少ない自慢の一つです。東京からのアクセスの良さと、多彩なロケーションが理由だと聞いています。完成当初は物議を醸したアクアラインですが、明らかに千葉の未来を変えたと思っています。【聞き手・近森歌音】

綾小路翔(あやのこうじ・しょう)さん

 1997年に結成した「氣志團」の團長兼メインボーカル。ヤンキー文化とパンクロックを合わせた「ヤンクロック」を掲げ、2001年にメジャーデビューした。以降、木更津市などで音楽イベント「氣志團万博」を開催している。

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