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幻の生物・ツチノコの正体は リアルな模型、目撃談で謎に迫る資料館

毎日新聞 / 2025年1月5日 8時15分

目撃証言をもとに作られたツチノコの模型。人が近づくと動き出す=岐阜県東白川村で

 新年が明け、「今年はどこに行こうかな?」なんて旅の計画を立てる人も多いのでは。東海地方にはまだまだ知られていない魅力ある場所が眠っている。行ってみたくなる、そして誰かに教えたくなる。そんな魅力あふれる珍スポットを記者たちが訪ねた。

 昔からその名を知られながら、まだ誰も捕まえたことのない幻の生物「ツチノコ」。目撃情報が日本一とされ、発見者に懸賞金(2024年は132万円)まで用意する岐阜県東白川村に、その謎に本気で迫った珍しい資料館がある。

 村の第三セクターが運営する観光施設「つちのこ館」。入り口では、太い胴体で蛇のような姿をした手作り感あふれるツチノコ人形がお出迎え。ツチノコグッズが並ぶ1階を抜けて2階に上がると、約35年前に“対面”したという村民の体験談が登場する。「石を投げるとワッと口を開けて怒った。口の中が赤かった」と生々しい。

 胴回りはビール瓶ほど、尾はネズミっぽく灰色――。そんな想像図とともに「ジャンプしたり、丸まって転がったり」という珍獣ぶりも図解。目撃情報を基にした等身大の模型は、人が近付くと動き出す仕組みで実にリアル。捕獲方法まで紹介し、「出会ったときは殺さないで」とある。

 年間の来場者は約3000人で、スタッフによると「ほとんどの人が半信半疑」。置かれたノートには、全国から訪れた目撃者の思いが記されている。

 「病床に伏している90代のおじが寝言のように『ツチノコを見た』とつぶやく。『ピョーンと跳ねて逃げた』というので、本当かどうか資料を求めて来ました」

 安江豊司名誉館長(73)は「ツチノコの存在を信じる人も信じない人も、いろいろな考え方があっていい。ただ、その正体を本気で追い求めている村があることを、ここに来て知ってもらえるとうれしい」と、やさしく語った。【稲垣洋介】

つちのこ館

 岐阜県東白川村神土426の1。午前9時~午後5時。水曜定休。1階は地元の特産品やツチノコグッズなどを販売。2階の資料館は大人300円、小中学生100円。JR高山線白川口駅から濃飛バスで約40分、「つちのこ館前」下車。中央自動車道中津川ICから約1時間。ふるさと企画(0574・78・3192)。

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