合計170歳のダブルスペア 活力の源は「勝負を楽しむ気持ち」
毎日新聞 / 2025年1月5日 10時30分
卓球「混合ダブルス」のペアを組むと、合計年齢が170歳になる夫婦が栃木県日光市にいる。沼尾憲彌(けんや)さん(86)と啓子さん(84)だ。共に競技歴は70年を超え、80代半ばの今も、卓球漬けの日々を送る。2人の活力の源は、競技を始めた10代の頃と変わらない「勝負を楽しむ気持ち」だ。【池田一生】
2人は60代以上が中心の地元の卓球クラブに所属し、週に数回練習に汗を流す。クラブが無い日は、卓球を始めたいというシニア向けの教室で指導も行っている。全国の代表が実力を競う「ねんりんピック」にはそれぞれ10回以上出場し、鳥取県であった昨年の大会にも、選手と監督やコーチを兼任して参加した。憲彌さんは県勢の男性最年長だった。啓子さんは「夫婦で、この年齢まで(卓球を)やっているのは珍しいと言われる」と笑う。
2人は中学時代に競技と出会い、憲彌さんは今市高、啓子さんは真岡女子高で腕を磨き、インターハイにも出場した。卒業後はそれぞれ実業団で活躍し、社会人時代に参加していた大会を通じて仲を深めた。選手として引退後も卓球を続け、それぞれクラブを立ち上げた。
退職後は、通常の球よりも直径が大きい「ラージボール」の教室を県内各地で開き、海外へも指導に赴くなど、普及活動にも力を入れた。子、孫、ひ孫も卓球に取り組み、現在、小学1年のひ孫には自宅の卓球台で教えている。
憲彌さんは「健康には卓球が一番だ」と言い切る。「プレーしていると目や頭も活発になるし、足腰も絶えず動かすから衰えにくくなる」のだという。憲彌さんが教えている教室では、定年後の趣味として卓球を始めてみたいと参加する人が多くいる。そんな人には「長寿の秘訣(ひけつ)だよ。始めるのに遅いということはない」と声を掛けている。「多くの人が卓球と出会い、活力ある老後を過ごしてほしい」というのが願いだ。
「卓球をやめようと思ったことはない」と夫婦は声をそろえる。加齢とともに体力の衰えは感じると言うが、啓子さんは「この年齢になっても、負けたら悔しいし、勝った時は本当にうれしい。やめられない」と語る。
2人は今年も多くの大会への出場に意欲を見せる。憲彌さんは身体の切れを良くしようと現在減量にも励む。「卓球で勝ちたいという気持ちは、中学生の頃と今も全く変わらない。スポーツで得る喜びに年齢は関係ない」と憲彌さん。2人はこれからも生涯、ラケットを握り続けるつもりでいる。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
【新春インタビュー】バドミントン・梶原大暉「初志貫徹で進化中」
パラサポWEB / 2025年1月6日 6時32分
-
【バドミントン】全日本準優勝 結成4ヶ月の五十嵐・櫻本ペア 「最後は気持ちの勝負で負けてしまった」
日テレNEWS NNN / 2024年12月31日 9時0分
-
【2024年】「今年活躍した女性アスリート」ランキング! 2位「早田ひな」を抑えた1位は?
オールアバウト / 2024年12月30日 10時50分
-
なぜバドミントン日本代表は強くなったのか? 成果上げた朴柱奉ヘッドコーチの20年と新時代
REAL SPORTS / 2024年12月29日 7時4分
-
卓球が「年齢問わず活躍できるスポーツ」である理由。皇帝ティモ・ボル引退に思う、特殊な競技の持つ価値
REAL SPORTS / 2024年12月25日 2時30分
ランキング
-
1雪下ろし、命綱で宙づり低体温か 青森・十和田、男性死亡
共同通信 / 2025年1月6日 21時2分
-
2「dポイント」有効期限が大幅変更へ。2025年「“見逃したら損をする”ポイ活ニュース」を節約プロが解説
日刊SPA! / 2025年1月6日 15時52分
-
3俳優の吉沢亮さん、住居侵入容疑で書類送検へ…「トイレに行きたくて勝手に」
読売新聞 / 2025年1月6日 21時13分
-
4「患者の8割がインフルエンザ」連休明け車あふれるクリニック 流行のピークは「あと1~2週間」福岡市
RKB毎日放送 / 2025年1月6日 18時40分
-
5自民・義家弘介氏が政界引退へ 「ヤンキー先生」、文科副大臣など歴任 後任は「落下傘でない人であってほしい」
カナロコ by 神奈川新聞 / 2025年1月6日 16時50分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください