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ALSと診断、それでも「できることないか」 下町で闘う労働組合議長

毎日新聞 / 2025年1月7日 15時15分

労組の集会で難病を抱えながら労働組合活動を続ける決意を語る三浦徹也議長=東京都葛飾区で2023年10月20日、東海林智撮影

 全身の筋力が衰えていく難病「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」を抱えながら、東京の下町で労働運動に取り組む労働組合の議長がいる。その議長がこれまでの活動で撮りためた写真を紹介する写真展「労働運動とわたし」が16~18日、葛飾区堀切地区センター1階ホールで開かれる。

 議長は、葛飾区労協の三浦徹也さん(61)。現在は病床に伏しているが、「働く仲間を鼓舞したい」と写真展を企画した。

 三浦さんは都清掃局に入り、清掃職員として働き、労組で職場環境の改善や地域の労働運動に長く関わった。2023年6月に「歩き方が変だ」と言われ受診し、ALSと診断された。ALSは手足やのど、呼吸に必要な筋肉が次第にやせて力を失う進行性の難病で、言葉を発することや呼吸も厳しくなる。

 三浦さんは大きなショックを受けたが、一緒に活動してきた地域の仲間に「最後の最後まで闘いの現場にいたい」と話し、議長にとどまりたいと伝えた。仲間はその気持ちを受け入れた。区労協事務局長の須田光照さんは「三浦議長の生き様は不当な扱いや差別と闘う組合員の励みになる」と語る。

 三浦さんは病気と闘いながら活動を続けたが、病状が進行し、埼玉県内の施設でほとんど寝たきりになった。それでも「病床からできることはないか」と考え、自身が撮影した労働運動などの写真の展示を思いついた。

 三浦さんは大学進学で島根から上京。1991年に職場の都清掃局の労組に加入した。40代からは地域でも活動を開始。労組では長く教育宣伝部に所属し、先輩から撮影の基本を教わり、写真を始めた。仲間が働く様子や地域のストライキ、アピール行動などを捉え、組合の機関紙やチラシに使われてきた。

 撮りためた膨大な写真の中から、今回は約70枚を展示する。目を引くのは、作業着姿の同僚が自身の子どもを抱きかかえる写真だ。三浦さんは「清掃業への差別や蔑視はあるが、仲間が作業着姿に誇りを持って働き、平和を願い組合活動を行う姿を見てほしい」と話している。

 写真展は午前10時~午後7時、入場無料。問い合わせは葛飾区労協(03・3604・5983)へ。【東海林智】

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