鳥居の奥はアーケード街 「昭和レトロ」魅せられ次々出店 活気再び
毎日新聞 / 2025年1月7日 16時0分
通りに面した鳥居の奥に、年月を感じさせる「土橋(どばし)市場」の赤い文字。夜になると、看板や点在する飲食店の明かりで、路地裏のようなアーケード街は昭和の雰囲気に包まれる。
市場は福岡県八女市の中心部・福島地区の土橋八幡宮の境内という、全国的にも珍しい立地だ。八女市史(1992年発行)によると、第二次世界大戦が終わった翌年の46年5月、大陸からの引き揚げ者が開いた露店のヤミ市が起源。バラックが並び、食料や衣類など生活物資を扱う店が多い時で70軒を超えた。
昭和40~50年代は駄菓子屋やおもちゃ屋から居酒屋、スナックまであり「肩が触れ合うほど」の人通りがあった。だが、その後は店をたたむ人が相次いだ。
「このまま廃れさせてはもったいない」。2010年代、かつてのにぎわいを知る30~40代の地元飲食店主たちが空き店舗を借りて商売などで活用し始め、それが呼び水になり、衣類・古道具店、パン屋などしゃれた構えの店が次々できた。
この空間の「ノスタルジックな」魅力に引きつけられたのが福岡県みやま市出身の柿原治喜さん(46)。輸入業から転じて15年にバーをオープン。今や市場組合長として活気を支える存在になった。
19年から焼き鳥店を経営する永島(えいしま)裕司さん(39)は、このバーに通ううち、市場が一層好きになり出店を決意。他店で修業し、1年かけて「昭和を意識した」こだわりの店を構えた。
市場は入れ替わりを経て現在、たこ焼き屋、おでん屋、くん製料理の店など十数店が営業し、25年春はサンドイッチ店とタコスの店も開業予定。足しげく通う地元の自営業男性(47)は「20年前はさびれ、誰も寄りつかないような所だったが、様変わりして居心地がいい」と満足げだ。
新しい風が吹く市場で栄枯盛衰を見守り続ける人も。旧満州(現中国東北部)から引き揚げた母親の店を継ぎ、今もスナックを営む清田善子(よしこ)さん(79)は「昭和レトロ」の人気にはピンとこないものの「若い人が来てくれて(市場に)明かりがつくのはありがたいこと。元気である限り店を続けたい」と話す。【谷由美子】
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
名物レースに「昭和の響き」健在 「別府ケーブルラクテンチ」に活気
毎日新聞 / 2025年1月1日 16時30分
-
人波の面影 新たな風吹く 和歌山・ぶらくり丁商店街 昭和100年 まちの今昔
産経ニュース / 2024年12月31日 11時0分
-
日曜劇場の舞台・軍艦島は大都会だった…「炭坑夫たちの荒くれた心身を愛撫してくれる」と遊郭まで存在【2024下半期BEST5】
プレジデントオンライン / 2024年12月31日 7時15分
-
"ふてほど"に登場「レトロ喫茶」で味わう至福の1杯 「相棒」「下町ロケット」など名作のロケ地を巡る
東洋経済オンライン / 2024年12月30日 8時30分
-
名古屋最大級のエンタメスポット「ナイトマーケット名古屋栄住吉(TREND MALL栄)」が12月1日グランドオープン
@Press / 2024年12月18日 10時0分
ランキング
-
1「不要不急の外出控えてテレワークも活用を」10日にかけて日本海側中心に大雪 車両の立ち往生、公共交通機関の遅延・運休のおそれ 気象庁・国交省会見
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2025年1月8日 14時19分
-
2タンカー座礁、重油全て流出も 函館、漁協「ウニに臭い移る」
共同通信 / 2025年1月8日 13時44分
-
3【中学生2人殺傷】押収した刃物から“被害者2人の血液” 9日にも殺人疑いで男を再逮捕へ 北九州市
FBS福岡放送ニュース / 2025年1月8日 12時1分
-
4ニュース裏表 安積明子 年末年始も大迷走の石破首相 強気に衆参同日選ほのめかすも…後日修正〝保守政治家〟の「天命」まっとうできるのか
zakzak by夕刊フジ / 2025年1月8日 11時0分
-
5「飲ませるの面倒だからいつも薬捨ててる」看護師の可能性があるアカウントが不適切処置に関する投稿 千葉大病院が内部調査を開始【news23】
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2025年1月8日 11時20分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください