東京・板橋の踏切殺害事件 従業員らを同僚への暴行容疑で再逮捕へ

警視庁＝米田堅持撮影

　東京都板橋区で2023年12月、男性が踏切内で電車にはねられ死亡した事件で、事件の5カ月前にも被害男性に暴行を加えていたとして、警視庁捜査1課は8日にも、東京都小平市の塗装会社代表取締役、佐々木学被告（39）＝監禁罪で起訴＝ら男性3人を暴行容疑で再逮捕する方針を固めた。捜査関係者への取材で判明した。

　警視庁は、被害男性に踏切に立ち入るよう強要して殺害したなどとして、佐々木被告らを24年12月に殺人容疑などで逮捕していた。被告らが日常的に暴行を加え、被害男性を抵抗できない精神状態に追い込んでいたとみている。

　捜査関係者によると、ほかに再逮捕されるのは、佐々木被告が経営する塗装会社「エムエー建装」の従業員、島畑明仁被告（34）＝殺人と監禁罪で起訴＝と、岩出篤哉被告（30）＝監禁罪で起訴。

　佐々木被告ら3人は23年7月12日、静岡県内のホテルの部屋で、同僚だった高野修さん（死亡時56歳）を抱えて頭から床に落としたほか、殴ったり蹴ったりする暴行を加えた疑いがある。

　被告らのスマートフォンからは、無抵抗な高野さんに対して、笑いながら執拗（しつよう）に暴行する様子を映した動画が確認された。当時、佐々木被告ら3人は高野さんと仕事で静岡県を訪れ、同じホテルに泊まっていたという。

　高野さんは20年には、被告らに熱湯をかけられてやけどを負っていた。また23年には、手足を縛られ下半身をハンマーで殴られる動画が被告らのスマホに残っていた。警視庁は被告らが暴行を繰り返していたとみている。

　警視庁は、高野さんを自宅から連れ出して乗用車内に監禁し、踏切内に立ち入らせて電車にはねられるよう仕向けたとして、再逮捕される3人と、野崎俊太被告（39）＝殺人と監禁罪で起訴＝の計4人を殺人と監禁容疑で逮捕していた。佐々木、岩出両被告の殺人容疑については東京地検が処分保留としており、警視庁が捜査を続けている。【岩崎歩、菅健吾、朝比奈由佳】