「おまえうまそうだな」作者、宮西達也さんが語る絵本の力
毎日新聞 / 2025年1月8日 9時16分
絵本「おまえうまそうだな」をはじめ、愛や友情を正面から描いた「ティラノサウルスシリーズ」は幼い子からかつて子供だった大人まで、世界中の人たちに愛されている。作者の宮西達也さん(68)は「『めくる』という動作の先に感性を豊かにするタネがある」と絵本の魅力を語る。
恐竜の中でも最強といわれるティラノサウルス。そこに宮西さんは、世に幅をきかせる「お金や権力」の象徴の意味を込めた。「ティラノが『優しさ、思いやり』の象徴のような赤ちゃん恐竜の『ウマソウ』と出会い、気づくことを通して本当に大切なものって何だろう、と一緒に考えたかった」と話す。
東日本大震災が発生した2011年以降、毎年、静岡県の自宅から岩手県陸前高田市などへ出向き、ボランティアで読み聞かせを続けた。「震災で別れや死を身近に感じ、強い刺激を受けた。それはその後描いた『ティラノ』にも大きく影響した」と振り返る。
これまで16冊発行されたシリーズにはいずれもティラノサウルスが登場するなどキャラクターや世界観は共通するが、1作ずつ完結し、物語はつながっていない。ただ刊行20周年を迎えた23年、第1作の20年後を描いた「さよならウマソウ」を発行した。「物語のその後は読者の想像に委ねるつもりだったが、自分も孫が生まれおじいちゃんになり心が変化し、年を重ねた2人が出会えばどうなるだろうと考えた。複雑な別れ方をしたので、納得いく別れにしたかった」と語る。
各地で読み聞かせのイベントに出演し、自ら読むだけでなく会場の参加者をその場で配役し、絵本を読んでもらうなど、読み聞かせの楽しさも伝えている。「読み方がうまいかどうかではなく、一生懸命読んでくれているか。子供はそれがうれしい」と宮西さん。「絵本は小さな子供も大人も笑い、泣く。めくるたび絵本に吸い込まれて『次は何が起こるんだろう』と想像し、同じだとほっとして違うとびっくりする。聞き手(読者)が動かない絵を自分で動かし、心も動かしていく」と絵本の持つ力を語った。【百武信幸】
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