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雑居ビル街が「第2のヒルズ」に 六本木で始まる「唯一無二」の構想

毎日新聞 / 2025年1月9日 13時0分

「第2の六本木ヒルズ」の再開発エリア。人通りが少なく、空き店舗が目立った=東京都港区で2024年12月23日午後1時23分、白川徹撮影

 多くの車や人が行き交う東京都港区の六本木交差点。その近くの細い通りは人が少なく、雑居ビルは空き店舗が目立つ。ビルの間から六本木ヒルズが見えるこの一帯で、「第2の六本木ヒルズ」と呼ばれる再開発計画が進んでいる。

 事業主の森ビルの計画案によると、2025年度に着工し、30年度に高さ288メートルのタワーマンションと、327メートルの超高層ビルの建設を予定している。

 完成すればタワーマンションの高さは日本一、ビルは東に約700メートル離れた麻布台ヒルズの森JPタワーとほぼ同じ高さとなる。この超高層ビルにはオフィスやホテル、劇場や国際会議場が入り、そばには寺院や教会も整備される。

風景一変させた「第1のヒルズ」

 六本木は夜の街として長くにぎわってきた。終戦後は駐留米軍向けの飲食店が林立し、米軍撤収後も外国人や若者が集まった。1980年代後半のバブル景気の盛りには、数十軒のディスコが建ち並んだ。

 そんな夜の街の風景を一変させたのが、2003年の六本木ヒルズ開業だった。オフィスやホテルだけでなく、森タワーの最上階(53階)には午後10時まで鑑賞できる森美術館を設置した。

 森ビルの家田玲子特任執行役員は「森美術館こそ、六本木ヒルズが目指した文化都心の象徴だ」と強調する。07年には近くにサントリー美術館が移転し、国立新美術館が開館。周辺にはギャラリーが次々にオープンし、街は様変わりした。

再開発の相乗効果なるか

 今回の再開発エリアは「六本木五丁目西地区」。地区内にある国際文化会館の庭園(旧岩崎邸庭園)は保存される。地区の敷地面積は10・1ヘクタールで、六本木ヒルズ(11・6ヘクタール)とほぼ同じ。事業規模は、国内の再開発事業では過去最大級の7000億円程度とされる。

 現在の東京メトロ六本木駅や六本木交差点周辺は、人々が立ち止まって過ごせる空間が少ない上に、駅から街へ移動しにくいという課題がある。このため計画では、六本木駅と再開発地区を地上と地下ともに通路で結び、途中には大規模広場も整備する。広場は、災害時の一時滞在場所としての機能も備える。

 都市政策に詳しい明治大の市川宏雄名誉教授は「六本木ヒルズや東京ミッドタウンなど新しい施設のおかげで街の知名度は高まったが、六本木駅のそばは雑然としたままだった。今回の再開発によって、知名度にふさわしい街並みに生まれ変わる」と語る。

 再開発地区の「第2の六本木ヒルズ」は、六本木ヒルズと麻布台ヒルズの間に位置するため、森ビル側は両施設との相乗効果を期待している。同社特任執行役員の家田氏は「既存のヒルズと一体的に活用し、唯一無二の街をつくりたい」と意気込んでいる。【白川徹】

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