M-1にも挑戦「のりのり亭兄弟」 小4と小2、寄席に向け切磋琢磨
毎日新聞 / 2025年1月12日 14時30分
和歌山市立宮北小4年の松本滉正(こうせい)さん(10)の高座名は「のりのり亭おむすび」、同2年のあさひさん(8)は「のりのり亭おにぎり」。兄弟で一緒に落語を始め、寄席や大会で経験を積んできた。2月22日には初めての「兄弟寄席」を地元で開く。
落語を始めたのは小1と4歳の時。ボランティア団体「わかやま楽落会」に所属する祖父の落語を見に行ったのがきっかけだ。「お客さんが楽しそうに見て笑っていて、おじいちゃんも楽しそうだった。面白そうやなと思って」(滉正さん)。楽落会に入り、その年明けに同市の伊太祁曽神社で開かれた恒例の「招福こども寄席」で共に初舞台を踏んだ。
落語にはまった理由は「お客さんに笑ってもらうところ」と口をそろえる。両親によると、滉正さんは滑舌を課題にしつつ、表現力や人物の演じ分けが持ち味。一方、あさひさんは「(古典落語の)昔の言葉が難しい」と言いつつ滑舌が良い。自宅の和室で日々練習を重ね、「お兄ちゃんに勝ちたい」(あさひさん)と切磋琢磨(せっさたくま)するライバルでもある。
滉正さんは一時スランプに陥ったことがある。舞台で受けず、主要な落語大会の入賞でも弟に先を越され「ぼろぼろになった」。続ける意欲を失いかけたが、応援してくれる人から「楽しくなければ落語じゃない」と助言された。「とにかく楽しもう」と吹っ切れると、大会で結果も出るようになった。
兄弟で新境地となる二人落語にも取り組んでいる。一緒に高座に上がり、一つの演目を2人の掛け合いで演じるもので、1年ほど前の寄席で初めて披露したところ、予想外の手応えを得た。「のりのり亭兄弟」のコンビ名で漫才の「M―1グランプリ2024」の1回戦にも挑んだ。
兄弟寄席に向け、滉正さんが「2人で息を合わせてお客さんに満足してもらい、『次もやってよ』と言われるようにやりたい」と意気込みを語ると、「お兄ちゃんと同じ」とあさひさん。日ごろお世話になっている地元の人たちを楽しませたいとの思いも込める。
来月22日和歌山で
第1回「子ども落語 のりのり兄弟寄席」は2月22日午後2時、和歌山市黒田の市宮北連絡所。入場無料。ゲストとして全国大会優勝者の高校生、ぴょんぴょん亭うさぎさんも出演する。駐車場はなく、最寄り駅はJR和歌山駅。【姜弘修】
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