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かやぶき屋根は「自然と暮らす知恵」 山口で建築物巡るツアー

毎日新聞 / 2025年1月12日 16時30分

ふき替え作業をするかやぶき職人の説明に聴き入る参加者ら=山口市徳地で2025年1月11日午後2時0分、小澤優奈撮影

 かやぶき屋根が全国的に姿を消しつつある中、その魅力を広めようと山口市徳地で11日、かやぶき屋根の建築物を巡るツアーがあった。山口市主催で、山口観光コンベンション協会徳地支部が企画。県内外から参加した約20人は、国重要有形民俗文化財「岸見の石風呂」のかやぶき屋根などを見て楽しんだ。

 「かや」は、屋根にふいた草の総称。ススキなどが使われ、起源は古代住居にまでさかのぼる。かやぶきの技術は2020年に国連教育科学文化機関(ユネスコ)無形文化遺産「伝統建築工匠の技」の一つに登録されている。

 ツアーでは、民俗技術専門の坪郷英彦・山口大名誉教授が「かやぶき屋根は雨や湿気が多い日本の気候に適し、自然と共に暮らしてきた人々の知恵」と解説。参加者らは、雪解け水が屋根から屋内に染み込まず、かやをつたって滴が滑り落ちる様子に見入っていた。

 リニューアル工事中の体験交流施設「重源の郷」での職人らによるかやぶき屋根ふき替え作業も特別公開され、地元に住む武石智絵さん(49)は「このすてきな文化を徳地に残していきたい」と力を込めた。【小澤優奈】

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