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王将戦が開幕 注目の一戦に熱視線 大盤解説にファン詰めかける

毎日新聞 / 2025年1月12日 16時30分

解説をする神谷広志八段=掛川市の大日本報徳社大講堂で2025年1月12日午後2時24分、山田英之撮影

 将棋のALSOK杯第74期王将戦七番勝負(毎日新聞社、スポーツニッポン新聞社、日本将棋連盟主催、ALSOK特別協賛)が12日、静岡県掛川市の掛川城二の丸茶室で開幕した。藤井聡太王将と挑戦者の永瀬拓矢九段の注目の一戦に、大盤解説会に詰めかけた将棋ファンが熱い視線を送った。【山田英之】

 藤井王将と永瀬九段が2日制のタイトル戦で顔を合わせるのは初めて。将棋によるまちづくり実行委員会会長の久保田崇・掛川市長の振り駒で、永瀬九段の先手で第1局が始まった。

 対局場に近い大日本報徳社大講堂で開かれた大盤解説会には最終的に12、13の2日間に計789人の申し込み(映像を配信する別会場を含む)があった。大講堂会場は定員を100人から112人に増やして対応した。

 解説の神谷広志八段は「将棋が強くなろうと思って真面目にメモを取って聞かずに、漫談だと思って解説を聞いてほしい」と呼びかけて、会場を和ませた。

 東京都大田区から参加した町田幸司さん(62)は「各地の大盤解説会に行くのが趣味。永瀬九段が挑戦者なので、おもしろい勝負になると思う。藤井王将には八冠に復帰するだけでなく、永世八冠になってもらいたい」と期待した。

 神奈川県小田原市の会社員、山中恒夫さん(58)は「藤井王将と永瀬九段の熱戦が見たくて、大盤解説会に申し込んだ。掛川に来たのは初めて。おいしい掛川茶を買って帰りたい」と解説を楽しんでいた。

 藤井王将のファンという浜松西高1年で囲碁将棋部の鈴木龍之介さん(16)は「強いだけでなく、誰にでも気さくに話す人柄が魅力。近くで対局していると思うと気持ちが高ぶる」と話していた。

 王将戦開催を記念して掛川城三の丸広場には、だし巻き卵やピザ、肉まん、メキシコの家庭料理などのキッチンカーが出店。多くの人でにぎわった。

 掛川城二の丸御殿の売店では、藤井王将と永瀬九段の揮毫(きごう)入りの御城印を販売(1500円)。2000枚限定で、観光客らの人気を集めていた。

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