「あれ、坂崎さん?」 アルフィー50周年展に本人「お忍び」来場

会場入り口のパネルに来場記念のサインをする坂崎幸之助さん＝埼玉県熊谷市内で1月11日、八木橋百貨店提供

　ロックバンド「THE　ALFEE（ジ・アルフィー）」のメジャーデビュー50年を記念した展示会が開かれている埼玉県熊谷市仲町の八木橋百貨店に11日夕、メンバーの坂崎幸之助さん（70）がお忍びで訪れた。気づいたファンたちは思わぬ“お年玉”に大喜びだった。

　坂崎さんが姿を見せたのは同日午後4時半過ぎ。30年来の親交がある同店の名物プランナー、宮地豊さん（63）が気を使って「閉店後にゆっくり見ていってください」と控室に案内しようとすると「ファンの方と交流したい」と8階の会場に直行した。

　まず足を止めたのは、デビューした1974年から今日までの活動を160枚の写真で紹介したコーナー。なかでも83年の「メリーアン」のヒットでスターの地位を確立するまでの雌伏の日々を収めた一角では「懐かしいね。自分でも忘れていたけど、当時のことが鮮やかに思い出される」と言いながら見入っていたという。

　最初は気づかなかった来場者も「あれっ、坂崎さんでは……」という声がさざ波のように広がったが、誰一人大きな声を上げることなく、ファンとして同じ場所にいることの幸せをかみしめているようだった。

　最後に、会場入り口のパネルにサインを書き込むと、来場者から温かな拍手。坂崎さんは「50年の足跡が凝縮されているよう。大勢のファンに見てもらえることがうれしい」と話したという。

　坂崎さんの友人として、今回の全国を巡回する展示会に協力している宮地さんは「坂崎さんは、熊谷に行きたいとメールで知らせてくれましたが、まさか本当に来てくれるとは。ファンを大事にしてくれる人だと思いましたし、アルフィー人気が50年たっても不変である理由を改めて知りました」と感激しきりだった。展示会は13日まで。【隈元浩彦】