「南海トラフ地震臨時情報」の仕組みとは?
毎日新聞 / 2025年1月13日 22時33分
13日夜に日向灘を震源として起きた地震で、気象庁が昨年8月に続き「南海トラフ地震臨時情報」を発表しました。どんな仕組みなのでしょうか。解説します。
Q 13日に九州で大きな地震があったね。
A 日向灘でマグニチュード(M)6・9の地震があり、最大震度5弱を観測しました。震源地の日向灘は、南海トラフ巨大地震で想定されている震源域内だったので、注目を集めました。気象庁は異常な現象を観測するなどしたら、「南海トラフ地震臨時情報(調査中)」を発表することになっているんですよ。
Q 「臨時情報(調査中)」って何?
A 南海トラフ地震は、東海沖から九州沖に延びる溝状の地形周辺で起きると考えられ、東日本大震災と同程度のM9級になる恐れがあります。このため、気象庁は監視しているエリアでM6・8以上を観測するなどしたら専門家の検討会を開き、調査を始めたことを国民に知らせるために「臨時情報(調査中)」を30分以内に出すんです。検討会の結果を受け、第2号も発します。
Q 第2号はどんな内容になるの?
A 「想定している震源域内の岩板の境界でM8以上の地震が発生した」と評価されたら「臨時情報(巨大地震警戒)」を、「岩板の境界面の断層が通常と異なって動いた」などと評価されたら「臨時情報(巨大地震注意)」を発表します。「警戒」「注意」に当てはまらなければ「臨時情報(調査終了)」になります。「警戒」の場合、津波に備え沿岸の避難対象の地域では1週間程度、避難が呼びかけられ、「注意」なら日ごろの備えを再確認することになります。
Q いつ始まった仕組みなの?
A 国は、2017年11月に臨時情報の運用を始めました。ただ、昨年8月に初めて発表された時には混乱も起きました。防災情報の確認を含めた日ごろからの備えが大切です。【垂水友里香】
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