トウチク、駆除完了 特別天然記念物の植物群落保護 鹿児島・枇榔島
毎日新聞 / 2025年1月16日 6時45分
鹿児島県志布志湾のほぼ中央にある枇榔(びろう)島(志布志市志布志町帖)で、貴重な亜熱帯植物群落を弱らせていた外来種のトウチクが根絶やしされた。1994年にトウチクが確認されて以来、年1~2回、志布志市教委、大隅森林管理署などが伐採を手掛けてきた。
日南海岸国定公園の中核を成す枇榔島は、周囲4キロ、面積17・8ヘクタール、標高83メートルの南北に長い無人島。南側の斜面に推定樹齢300~400年のビロウが密生し、北側斜面に広葉樹やつる性植物が茂る。ビロウ林に隣接するようにシダが群生し、亜熱帯植物群落の希少性が評価されて56年に国の特別天然記念物に指定された。
トウチクが枇榔島に入ってきた経緯は不明だが、かつては島に定期船が立ち寄っており、94年に地元の学校長がビロウ林周辺にトウチクが繁茂しているのを見つけたという。トウチクは中国南部や台湾などが原産の多年生常緑竹で、大名竹の名でも知られる。庭園や露地の垣根等に使われるが、根からどんどん繁殖する。
根がしっかり茂っていたため、市教委などは当初、葉の部分を刈り取ることしかできなかったが、それによって徐々に対処しやすい幼竹中心となり、根ごと掘り返すことができるようになったという。その結果、2015年には100本が残っていたが、18年には8本、20年には2本となり、21年以降は確認されなくなった。24年11月の大規模調査でも0本で、「駆除完了」との認識に至った。今後も経過観察し、次回は27年に島に入る予定という。
市教委生涯学習課の大窪祥晃・文化財管理グループサブリーダーは「長くかかったがやっと駆除が完了し、感慨に堪えない。枇榔島を後世に伝えていきたい」と話している。【梅山崇】
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