「核廃絶への思いを引き継いで」 被団協代表委員、千葉で特別講演
毎日新聞 / 2025年1月16日 19時49分
千葉県市川市文化会館で15日、2024年12月にノーベル平和賞を受賞した日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の代表委員、田中熙巳(てるみ)さん(92)の特別講演会が開かれ、市民約400人が耳を傾けた。
田中さんは旧満州(現中国東北部)で生まれた。5歳の時、軍人だった父が病気で急死し、母の実家がある長崎市に移った。県立長崎中学1年の13歳の時、爆心地から3・2キロの自宅で被爆した。
講演会で田中さんは、差別や放射線の影響などの被爆者の苦悩や、「核兵器を絶対、使ってはいけない。存在させてもいけない」という日本被団協の訴え、活動などを紹介。同賞を受賞したことについて「世界の人々に被団協の活動を知ってもらうよいきっかけになった」と語った。
また、ロシアがウクライナ侵攻で核兵器使用をちらつかせるなど最近の世界情勢を踏まえ、授賞式後にノーベル委員会の委員から「実は来年(25年)、日本被団協に(授賞を)出さなければいけないという話になっていたが、今の情勢では待ってはいけないということで(24年の)今年、決断したと聞いた」と舞台裏を明かし、「それだけに私たちの役割は大きい」と述べた。
最後に、「いずれ、直接の体験を語れる被爆者はいなくなるが、若い人たちに核兵器廃絶への思いを引き継いでもらい、広めてほしい」などと希望を託した。
対談で市川市の田中甲市長は、核兵器廃絶平和都市宣言をしている関東地方の35自治体に呼びかけ、11月に市川で会合を開き、地域から核兵器廃絶の機運を盛り上げていきたいとの意向を明らかにした。
講演会は同市の核兵器廃絶平和都市宣言40周年記念事業。
【石塚孝志】
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