「遠く離れていても忘れない」 阪神大震災30年 福島・郡山で追悼
毎日新聞 / 2025年1月17日 12時35分
粉雪の中、「30」などの形に並べた明かりを前に、神戸市に向かって阪神大震災の犠牲者を追悼する「ハートネットふくしま」のメンバーたち=福島県郡山市開成1の開成山公園で2025年1月17日午前5時46分、根本太一撮影
6434人が犠牲になった1995年の阪神大震災から30年を迎えた17日、福島県郡山市の開成山公園で追悼の行事があった。被災地でボランティア活動を続けている市内のNPO法人「ハートネットふくしま」のメンバーら15人が黙とうをささげ、改めて「忘れない」と誓った。
理事長の吉田公男さん(68)は、発災2カ月後に「郡山阪神大震災ボランティア派遣委員会」をつくり、95年3月から約9カ月間、延べ1000人のボランティアを兵庫県西宮市に送った。その後も東日本大震災や、昨年元日に発生した能登半島地震の被災地などで炊き出しをするなどの活動を続けている。
96年から欠かさない阪神大震災の追悼行事では、この日、ろうそく1200本をハートと「30」「1・17」の形に並べて火をともし、地震が発生した午前5時46分、粉雪が舞う中を神戸市に向かって犠牲者の冥福を祈った。ろうそくを立てたペットボトルは2019年の台風19号の際に、炊き出し用の水が入っていたものを再利用したという。
吉田さんは「30年がたっても阪神大震災は過去のことではない。心の中で続いている。東日本大震災は復興の半ば。私たちはお互いに遠く離れていても、忘れない思いを持ち続けたい。能登もそう。大災害はどこでも必ず起こると学び、伝えていかなければ」と話した。
参列者の中に、渡辺光一さん(73)の姿があった。東京電力福島第1原発の事故で双葉町から避難し、現在は郡山市内の復興住宅で暮らしている。「あの時は『とにかく西へ行け』とだけ言われて。今、集落はバラバラ。どこで落ち合うか、家族も含めあらかじめ決めておくような準備は大切なんだね」と振り返る。当時は生後3カ月で、今春に中学3年生になる孫にも話しているという。【根本太一】
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