1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

桜島を描き続ける85歳画家 ミュージアム設立へ芸術家ら活動

毎日新聞 / 2025年1月17日 15時58分

自身の作品の前にたたずむ野●(ぞえ=●は添の「さんずい」が「にんべん」)宗男さん=鹿児島市城山町の市美術館で2022年1月、@Tomovsky*

 桜島のふもとに住み、桜島を主題とする油絵を発表し続けてきた画家、野●(ぞえ=●は添の「さんずい」が「にんべん」)宗男さん(85)=鹿児島市桜島横山町=の作品を集めたミュージアムを、統廃合される桜島の小中学校に設けようと、鹿児島県内の芸術家らが動き出した。25、26日には同市武3の長島美術館で野●さんの個展を開き、活動への協力を呼び掛ける。

 野●さんは福岡県水巻町生まれで武蔵野美術学校(現武蔵野美術大)卒業。東京を拠点に既成画壇に所属しない形で活動し、1976年に初めて桜島を訪れた。感銘を受けて91年には桜島のふもとに移住。桜島を描き続け、地元の名門「城山ホテル鹿児島」(鹿児島市)の正面ロビーを作品が飾った時期もある。

 しかし、国指定の難病「脊椎(せきつい)黄色靱(じん)帯骨化症」を患って5、6年から車椅子生活となり、大作は描けなくなった。今は復活に向け、手先が鈍らないようデイサービス先で塗り絵に取り組んでいる。とはいえ、一人暮らしで、自宅やアトリエは老朽化し、作品数千点の保管もままならない状態になった。

 こうした窮状を知った武蔵野美術大の後輩で鹿児島県日置市のイラストレーター、大寺聡さん(58)が代表となり、「野●ミュージアム設立実行委員会」を設立。作品の常設展示を求める声もあり、多くの人に楽しんでもらう場所の確保に取り組んだ。

 同時期、桜島では小中学校を統廃合する計画が進んでいた。そこで大寺さんは市教委学校整備室に相談。使われなくなる校舎をミュージアムにする構想を説明した。大寺さんは、野●さんの自宅に近い市立桜洲(おうしゅう)小(鹿児島市桜島小池町)に設けられないか検討を続けている。

 大寺さんは「桜島のふもとで桜島を描き続ける野●さんの作品を地元で収蔵することは、文化資源としても観光資源としても有用。永続的な運営のため、多くの市民や企業の協力を得たい」と期待する。

 野●さんは「皆さんの応援でミュージアムの話をいただき、ありがたい。地域社会への恩返しになれば」と話している。

 個展には代表作約20点が並び、入場は無料。ミュージアム設立への協力は大寺さん(090・8393・0756)へ。【梅山崇】(ぞえ=●は添の「さんずい」が「にんべん」)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください