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未来を考えよう 愛知・豊橋「水上ビル」誕生60年で記念写真展

毎日新聞 / 2025年1月19日 8時45分

水上ビルと総称されるビル群。豊橋駅側(手前)から豊橋ビル(1棟)、大豊ビル(9棟)、大手ビル(5棟)の順で並ぶ=愛知県豊橋市駅前大通で2025年1月9日、永海俊撮影

 愛知県豊橋市のシンボルの一つで、全国でも珍しい水路の上に建つ通称「水上ビル」が誕生から60年を迎えた。これを記念し、ビル内の「大豊(だいほう)商店街」に生きる人々を見つめた写真展「水の上の店主たち」が21日から同市美術博物館で開かれる。店主らはビルの「寿命」を見据え、こうしたイベントを通じて多くの人がビルと商店街の将来に関心を寄せてほしいと願っている。【永海俊】

 豊橋駅東側には豊橋ビル(1棟)、大豊ビル(9棟)、大手ビル(5棟)という3~5階建ての三つのビル群が東西約800メートルにわたって連なっている。農業用水路の上に建つことから、まとめて水上ビルと呼ばれる。

 最も古い大豊ビルが完成したのは1964年。戦後の闇市をルーツとする雑居マーケットがそこへ移転し、同年12月に現在の大豊商店街として再スタートした。1階が店舗、2階以上は事務所や住居として使われている。

 同商店街によると、現在約50店舗あり、移転開業当時から営業している店が約3割、新しく入居した店が約7割という。懐かしさが漂う駄菓子屋や花火の店から、若者に人気のヘアサロンやクラフトビールの店まで、新旧の店が違和感なく共存しているのが特徴だ。

 写真展は、商店街の広報紙「DAIHOUジャーナル」が創刊から10年となる記念も兼ね、同紙の編集を担当するフリーライターの北川裕子さん(50)らが主催し、市と同商店街が後援する。展示するのは、横浜市在住の写真家、中西一朗さん(52)がこれまで同紙に掲載してきた作品に撮り下ろしを加えたA1~A3判の写真約60点。店主たちの人柄や自負が一瞬の表情ににじむ。

 会場には商店街の歴史を紹介するコーナーも設ける。開催は26日まで(午前9時~午後5時、最終日は同4時まで)で入場無料。北川さんは「一人一人の店主の豊かな個性がこれほど表れている商店街は少ない。商店街の成り立ちと魅力を伝えたい」と語る。

 商店街の人たちは、コンクリート造りの建物の一般的な寿命から水上ビルに残された時間を20年と仮定し、ビルの活用策や今後のまちづくりを考えるトークイベントを継続して開いている。今後も60周年に合わせてさまざまな企画を練り、多くの人を議論に誘い込みたい考えだ。

 同商店街の黒野有一郎理事長(57)は「ビルをみんなが面白がって利用し、関心を持ってもらうことが重要だ。20年先にどういう形にするのが幸せなのか、一緒に考えていきたい」と話している。

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